自動車産業が活況に沸く中、MENAの自動車労組がモロッコで会合
2016-04-14
2016年3月15~16日、多国籍企業数社とサプライヤーの自動車労働者を代表して60人がカサブランカに集まり、自動車サプライチェーンで労働条件を改善する方法に検討を加えた。
この自動車・サプライチェーンMENAワークショップはインダストリオール・グローバルユニオンが計画し、FESの支援を受けて開催された行事で、チュニジア、モロッコ、ドイツ、フランス、スペインの金属・自動車労組の指導者も参加した。
昨年4月にベイルートで開かれた第1回MENA自動車・サプライヤー会合に続いて、カサブランカ会合の参加者たちは、北部アフリカにおける自動車産業とそのサプライチェーンの発展・拡大をめぐって徹底的な討議を開始した。
クロムブルグ・ウント・シューベルト、PSA、フォード、レオニ、VETE、ルノー、CFCA、CAC、オート・ネジマ(モロッコにおけるメルセデス・ベンツ、双竜、ジープ、ドッジ、FAWの独占販売業者)、矢崎、イリサール・マロック、ドラクスルマイヤー、ヴァレオ、BMW、CFAOモーターズ・マロック(モロッコにおけるオペルとシボレーの独占販売業者)、フォルクスワーゲンなど、いくつかの多国籍企業の組合幹部と労働者が、グローバル枠組み協定(GFA)の実施や組合ネットワーク構築、協力・連帯による自動車サプライチェーンの労働条件改善をめぐり討議した。
2日間の会合で、労働法、組合機構、工場・企業レベルの労働協約や協定、関連するILO第87号および第98号条約の批准、国内法制における結社の自由の保障、主な労働法制、労働組合員の保護について集中的に議論した。この詳細な意見交換は、MENAの組合とヨーロッパの組合との協力を推進・拡大する重要な基礎となった。仏ルノーとモロッコの組合、チュニジアのレオニとドイツの組合との協力の成功例が紹介された。
世界の自動車・自動車部品産業、主要企業と将来の傾向、MENA地域の問題と労働者の課題、組合協力の経験、この部門における強化と権限付与も取り上げた。
この会合には女性が積極的に参加し、4人の女性がワークショップで発表した。
アルジェリア、エジプト、モロッコ、チュニジアは、MENA地域の主要自動車・自動車部品生産国である。これは中東・北部アフリカにおける自動車市場の急成長、可処分所得の増加、都市化、投資奨励策、低コスト労働力、継続的なインフラ投資による。
チュニジアでは、この産業で84社が活動しており、6万人以上を雇用し、総売上高は20億米ドルに達する。モロッコでは約200社が8万5,000人を雇用し、年間16万7,000台を生産している。エジプトは年間10万台を生産し、26の自動車組立工場と338の部品工場があり、7万人を超える労働者を雇用している。アルジェリアでは、ルノーが2019年までに生産台数を3倍増の7万5,000台にする計画を立てているため、自動車・自動車部品投資がさらに増えている。また、ダイムラーもアルジェリアで生産を増やす計画である。
会合の終わりに行動計画が採択された。その狙いは、MENA諸国でこの産業の部門別活動を支援すること、企業レベルのネットワーク作りや、MENA諸国と活動中の多国籍企業の本国との協力を強化すること、進行中の組合協力を促進し、もっと多くのMENAの組合を参加させ、より多くのサプライヤーの労働者に影響を及ぼして既存のGFAの実施を改善すること、自動車サプライチェーンを組織化するMENA諸国の組合の能力を強化することである。
ヘルムート・レンゼ・インダストリオール自動車部門担当部長は次のように述べた。
「MENA地域における自動車産業の拡大は、この地域の若年失業率の高さを考えれば、雇用創出の面では好ましい展開だ。しかし、自動車産業はグローバル・サプライチェーンに依存していることから、労働者にいくつかの課題を突きつけている。インダストリオールの既存の自動車ネットワークやGFA、加盟組織による連帯は、MENA地域の自動車部門で労働者の権利を改善するうえで役立つだろう」
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