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第55号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2016年6月1~9日)

インダストリオール・ヨーロッパ、欧州大陸の危機に対応

2016-06-10

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 6月7~9日にマドリードで開催された第2回インダストリオール・ヨーロッパ大会に、製造業、鉱業、化学および繊維各部門の組合が集まり、大陸の労働者が直面している課題に取り組んだ。

 この大会はヨーロッパが経済的・政治的危機に見舞われている中で開かれた。公的債務危機の余波で、政治的コンセンサスが破綻し、緊縮政策が強化され、社会と労働者を犠牲にして金融エリートが支配している。何百万人もの産業雇用が失われ、賃金水準が抑えられ、不安定雇用が激増しており、大陸全体で労働組合権が攻撃されている。

industriall europe3 大会は危機を評価し、危機に取り組むための計画を練り上げ、2016~2020年の新指導部を選出した。新たに選出されたリュック・トライアングル、シルバン・ルフェーブル、ブノワ・ジェリッツ、ルイス・アンヘル・コルンガと、再選されたミハエル・バシリアディス会長は、強力な組合が企業支配への対抗勢力となる社会的ヨーロッパの必要性に関して強力な政治的発言を行った。

 ヨーロッパの政治的エリート集団が危機に立ち向かっていないため、社会が崩壊し、加盟国内および加盟国間の双方において不平等が悪化し、極右主義が増長している。TTIPやCETAのような貿易協定は社会を犠牲にして企業を優先している。

 ヨーロッパは、質の高い製造業雇用への投資による経済的・社会的連帯に基づく進歩的モデルを必要としている。ヨーロッパが直面している課題は平等に共有されておらず、大陸全体の労働者が緊縮政策の負担を背負わされ、発展途上国が累積債務危機と難民流入の両方の矢面に立たされている。人間的なヨーロッパは、これらの課題を共有すべきである。

industriall europe2 インダストリオール・ヨーロッパ新書記長のリュック・トライアングルは、「向こう4年間、労働組合の力とヨーロッパの組織としての一体感を強化することを目指して、効果的な労働組合調整がインダストリオール・ヨーロッパの中核的活動の中心になる」と述べた。

 インダストリオール・ヨーロッパは組合員の利益を最優先し、次期には4つの基本目標に焦点を合わせる。

  • 欧州産業において賃金の高い良質の確かな雇用を創出する。
  • ヨーロッパ全体で良好な労働条件を達成するために、適用範囲の広い団体交渉制度を促進する。
  • 多国籍企業への効果的な対抗勢力を発展させる。
  • 重点的組織化によって欧州レベル・国家レベルで労働組合を強化する。

 「組織化と組合の力の強化もヨーロッパの議題に盛り込まれているので、インダストリオール・ヨーロッパとインダストリオール・グローバルユニオンは緊密に協力していく。だが、もっと多くの女性指導者がトップに立つ必要がある!」とユルキ・ライナ・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は述べた。

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