ゲルダウ鉄鋼工場の反労働組合的慣行を糾弾
2016-06-03
ゲルダウ世界労働者協議会は5月16~18日にウルグアイのモンテビデオで会合を開き、グローバルな鉄鋼危機と、南北アメリカ最大のロングスチール・メーカーであるゲルダウ社の反労働組合的慣行に取り組んだ。
同協議会は世界中の工場における同社従業員の状況を評価し、行動計画を承認するとともに、工場の1つでデモを行った。
この会合にはアルゼンチン、ブラジル、カナダ、チリ、スペイン、アメリカ、ペルー、ウルグアイの労働組合代表が出席。フェルナンド・ロペス・インダストリオール書記次長、ホルヘ・アルメイダ・インダストリオール地域事務所所長、マリーノ・バニ地域事務所副所長がインダストリオール・グローバルユニオン代表として参加した。
各代表は自国における同社の状況について最新情報を提供した。多くの共通点があり、参加者はネットワークが共同戦略を策定すべきことで合意した。同社はすべての工場で自社の利益のために法律や税法、社内規定を利用している。投資の重点は、人件費(労働者数)・光熱費の削減と反労働組合戦略の促進である。
14カ国で4万5,000人以上を雇用するゲルダウは、労働組合の組織化を妨げる方針を採用している。組合との交渉を義務づけられると、賃金・給付を削減したり協約を修正したりしようとする。また、いわゆる黄色労働組合に対し、代表的組合に取って代わったり、労働者による真の組合の結成を阻止したりするよう促している。
「ゲルダウは多くの国々、特にラテンアメリカで労働者の権利を尊重していない。したがって、共同行動を組織するために絶えず情報を交換することが欠かせない」とブラジルでゲルダウ従業員の労働組合ネットワークのコーディネーターを務めるアンダーソン・ガウアーは語った。
会合では、ゲルダウ社の反労働組合的慣行、鉄鋼部門に関する案、同社の全工場における労働者の状況に関する情報を詳述する文書が承認された。この文書は、すべてのメルコスール諸国の政府に提出される。
参加者はウルグアイのエルネスト・ムロ労働大臣と会談し、国内産業を保護するとともに独立労働組合によるゲルダウ労働者の代表を許可する措置の導入を求めた。協議会は大臣に対し、国内のゲルダウ工場の視察を計画することについて同社に話を持ちかけるよう求めたが、同社はこの要求を拒絶した。
そこで協議会は工場前でデモを組織し、ウルグアイで独立労働組合による代表を求めて闘争中のゲルダウ労働者への支援を表明した。このデモは国際レベルで労働者間の団結と連帯が深まっていることを示した。
フェルナンド・ロペス・インダストリオール・グローバルユニオン書記次長は次のように述べた。「モンテビデオでの会合と関連活動は、労働条件改善と結社の自由を求めて闘ううえでゲルダウ世界労働者協議会を強化した。今回の会合は、承認された行動計画を実施しようという熱意にあふれていた。ウルグアイの同僚が会合を見事に組織してくれたことに感謝する」