メキシコ、アメリカ、カナダの組合、団結してトランプに対抗
2017-03-20
独立組合と関連NGOが3月15日にメキシコシティーに集まり、トランプの政策が北米の労働運動に及ぼす影響をめぐって討議した。
メキシコの多様な組合と市民社会組織から集まった参加者は、アメリカのAFL-CIOおよびカナダのユニフォーとともに、憎悪と排除に基づくトランプの政策を非難した。参加者たちは、無秩序なグローバル化や、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)やNAFTAなど労働者に損害を与える貿易協定への反対も再確認した。
インダストリオールのフェルナンド・ロペス担当部長が、逆説的なことに、TPPの義務は昨年、メキシコで大いに必要とされる労働法改革を推進する要因になったと述べた。TPPが頓挫した今、労働権擁護者は改革が実行に移されるようにするために圧力をかけ続ける必要がある。
メキシコに対する効果は他のラテンアメリカ諸国にも及ぶ可能性がある。自動車産業や鉄鋼業のような重要産業部門の多国籍企業は、この地域の3大経済(アルゼンチン、ブラジル、メキシコ)で活動している。現在、メキシコは主に米国市場に輸出しており、アルゼンチンとブラジルは他のラテンアメリカ諸国に供給している。メキシコは米国市場に輸出を依存できなくなれば、マーケットシェアを求めてブラジルとアルゼンチンの高賃金産業と競争し始め、賃金・労働条件に引き下げ圧力が加わるようになるだろう。
トランプの政策の危険を討議するだけでなく、多くの参加者が機会も強調した。「閉じるドアもあるが、開くドアもある」とある参加者は述べた。トランプへの反対は社会運動に活力を与えており、労働組合は公共政策に影響を及ぼすうえでより積極的な役割を果たすようになるかもしれない。
フェルナンド・ロペスは次のように締めくくった。
「私たちは組合として、この現実に目覚める必要があり、代替策をじっくり検討しなければならない。インダストリオールは、より公正な社会に向けた社会政治運動を構築しようとするメキシコの独立組合の取り組みを支援し、同じく果たすべき役割を担っている市民社会との協力を奨励していく」
この会合は、独立組合に発言権を与えて力を強化することを目指すインダストリオール/ユニフォー組合構築プロジェクトの枠内で開かれた。