ロシアのフォルクスワーゲンで新労働協約
2017-03-14
ロシア・カルガのフォルクスワーゲン工場での3カ月に及ぶ集中的な団体交渉の結果、2017年2月末に新しい労働協約が取り決められた。
労働者側代表は、インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織の地域間労働組合「労働者協会」(ITUWA)、自動車・関連産業の革新的な新しい地域間労働組合、従業員代表委員会である。
新しい労働協約は、3カ月の法定期間が満了する前日の2月22日にフォルクスワーゲン工場で締結された。交渉は2016年11月に始まった。ITUWAは交渉中、労働者の立場を改善するために30項目を超える協約修正案を示した。使用者側は修正案の採用を渋ったが、交渉の結果、合意に達した。
組合は事前合意に盛り込まれていた社会的給付と保証のすべてを何とか維持し、それに加えて次の成果も達成できた。
- 2017年4月から賃金を1%+3,000ルーブル(51米ドル)引き上げる。
- 休暇後と今年末前の2回、7,500ルーブル(128米ドル)を支給する。
- 2018年10月から給料をインフレ率+2%引き上げる。
- 2018年に2回、7,500ルーブルを支給する。2018年12月の2回目の支給額はインフレ率に基づいて計算する。
- いずれ近いうちに間接従業員の新しい評点方式をめぐる討議が始まる。この討議は2年先送りされていた。
「給料を5.4%増額し、平均賃金を考慮して金額を決定することについて何とか合意した。これは危機感をもって対応した結果だ」とITUWAの活動家アナトリー・デミドフは述べた。
組合の次の目標は、向こう6カ月間に法的関係と労使関係に関する協約を締結することである。組合はフォルクスワーゲンがドイツで採択した文書を土台とみなす。この文書によると、従業員は情報、協議、承認の3段階で意思決定に参加する。経営陣は承認にあたって、従業員の代表(カルガ工場の従業員代表委員会)から許可を得なければならない。
ITUWAカルガ地域組織のドミトリー・トルドボイ会長は次のように述べた。
「私たちは今回、意向協約を締結して現状を甘受した。8月までに法的関係と労使関係に関する協約を締結することが不可欠だ。従業員代表の承認は、融資と投資を除くすべての案件に義務付けられる。融資と投資の問題については協議の中で話し合う」