キャタピラー労働組合ネットワーク、課題を克服して前進
2017-06-26
北米、ブラジル、ヨーロッパ、日本、インドの多国籍機械エンジニアリング大手キャタピラーの組合から30人以上の労働組合代議員が集まり、6月22~23日にドイツ・フランクフルトで会合を開いた。
キャタピラーは過去数年間に大きく変わった。同社は明確な戦略に従っていないようで、金融市場に振り回されてその場しのぎの決定を下している。この状況は新任CEOジム・アンプルビーの就任後も続いている。
ここ数年、適切な情報・協議なしで、従業員や労働組合と真の協議を行うこともなく、多くの工場閉鎖(北アイルランドのモンクスタウン、ベルギーのゴスリースなど)が実施された。この事態は、グローバル労働組合ネットワークが情報を共有し、影響を受ける組合・労働者間でコミュニケーションを改善する必要性がますます高まっていることを示している。
ある代議員はネットワークの立場と意味を次のように説明した。
「キャタピラー経営陣は何をしようと、どこへ行こうと、組合が目を光らせていることを認識しなければならない。同社が私たちを承認するかどうかはどちらでもいい――私たちは同僚や同志が競い合わされることの無いようにしたいだけだ」
キャタピラーはこの部門で最も反組合的な多国籍企業の1つと言っていいが、インダストリオール労働組合ネットワークが存在し、その内部コミュニケーションが改善している状況は、キャタピラーでさえ長期にわたって組合を避けることはできないことを示している。
会合参加者は、キャタピラーの悪しき慣行や工場閉鎖について議論するだけでなく、共通の解決策を見つけて内部コミュニケーションと情報交換を改善するための戦略も策定した。これらの活動は今後12カ月間に実施され、2018年の次期グローバル・ネットワーク会議で修正される。
マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール担当部長は、この会合について次のように述べた。
「キャタピラーは組合を避けるためなら手段を選ばない会社であると同時に、労働者を粗末に扱っている。私たちは労働者に発言権を与えるために最善を尽くす。労働者を貸借対照表上の数字としか見ない態度は決して受け入れない」