素材金属労組、労働者の権利と尊厳を求めて闘うと誓約
2017-09-28
2017年9月26~27日にフランスのパリでインダストリオール素材金属運営委員会が開催され、20カ国の素材金属部門の労働者を代表する労働組合活動家60人が集まった。
代議員は2日間にわたって討議し、不公正取引や鉄鋼業の過剰生産能力といった緊急の問題、インダストリー4.0とデジタル化の課題、組合の力とグローバルな連帯をどう強化するかに関する組合にとって根本的に重要な問題を取り上げた。
この会合は、2016年にドイツ・デュースブルクの素材金属世界会議で採択されたアクション・プランを受けて開かれた。
グローバルな連帯の問題が重要な議題であり、活動家たちは、グアテマラで製鋼会社テルニウムの労働者を代表している組合、SITRATERNIUMとの連帯を表明した。同社が組合の承認と労使交渉を拒否していることに対応して、インダストリオール・グローバルユニオンは先ごろOECDに提訴した。
また、この会合で代議員は、世界最大の製鉄会社アルセロール・ミッタルでグローバルな組合協力・連携の強化を求める統一要求も採択した。この声明は、10月初めに米国バーンズ・ハーバーで開かれるグローバル経営陣との次期会合で発表される。
参加者は、ゲルダウが国内レベル・世界レベルで組合を承認し、ゲルダウ世界組合委員会とも連携しながら、自社の安全衛生慣行の改善に取り組むよう求める同委員会の要求を支持することも再確認した。8月にゲルダウのオウロ・ブランコ工場で事故が発生し、4人の労働者が亡くなった。
インダストリオール・グローバルユニオン素材金属部門のサンジョット・バダブカール共同部会長は言う。
「私たちの協調的努力は、不公正なダンピングと闘い、貿易防衛措置や貿易政策の立案への組合参加を強化するうえで役立つ。私たちは、組合の力を強化して労働者全員のために公正、平等、尊厳を求めて共同で闘うために、女性労働者と若年労働者、不安定労働者を引き続き組織化していく必要があることを再確認した」
インダストリオール・グローバルユニオン素材金属部門のトーマス・コンウェイ共同部会長は言う。
「インダストリオール素材金属部会の組合は、この2日間会合を開いた。各自の使用者と政府に対し、労働組合と協力しながら、私たち全員に影響を与えている鉄鋼業の世界的な過剰生産能力の問題への対処に必要なすべての措置を講じるよう要求するために、これまで同様に取り組んでいる。さらに、労使関係と安全衛生状態が不十分であれば、共同で使用者に立ち向かうことも誓約している。組合員が危険にさらされ、経営側がこれらの問題に無関心な職場は許容しない」
ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は次のように語った。
「世界中で劇的な政治的変化が起こっており、ブレグジット、気候変動、ヨーロッパにおける極右勢力の台頭が挙げられる。これは素材金属部門に大きな影響を与えている。しかし、闘いは続いている。私たちは世界各地で社会的権利と尊厳に基づく経済的・政治的モデルを求めて闘っており、強力な労働組合による支援が必要だ」
会合の写真はフリッカーで閲覧可能。フェイスブック(@IndustriALLGlobalUnion)に討議の一部が掲載されている。