広報ニュース

第71号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2017年9月30日)

インドの自動車労組、社会的対話と組合の力を強化へ

2017-09-26

チェンナイで開催されたインドの自動車労組によるワークショップ・戦略企画会議

 インドの自動車労組は9月21~23日にチェンナイで会合を開き、社会的対話と不安定雇用、組合ネットワーク構築、安全衛生改善をめぐり討議した。

 このワークショップ・戦略企画会議には、チェンナイ、ベンガルール、プネー、グルガオンの産業クラスターから国内外の自動車メーカーの組合代表が積極的に参加した。

 組合代表は自動車部門で社会的対話の余地が限られていることを強調した。組合承認と信頼・尊重、雇用保障の欠如、不安定雇用について議論する余地の不足、企業情報の共有における透明性の欠如が、効果的な社会的対話を妨げている。

 ゲオルク・ロイテルト・インダストリオール自動車担当部長が次のように述べた。
 「社会的対話は公正な経済開発の確立に最重要だ。労働者に対等なパートナーシップと尊厳を与え、経営にも貢献する。インドの自動車会社で不安定雇用が大規模に利用され、賃金水準が低いことを考えれば、この水準にとどまっていては進展がないだろう。権利を確保するために労働組合の力を結集する必要がある」

 労働法は労働組合権を促進する余地を提供しているが、法律が適切に実施されず、労働行政が不活発であるために社会的対話が妨げられている、と参加者は強調した。

 ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長はこう語った。
 「インドの主要自動車会社で不安定労働者が労働力の大半を占めているというのは衝撃的だ。その状況を変えなければならない。労働者は、結社の自由と団体交渉の権利を確保するうえで非常に大きな課題に直面している」
 「インダストリオールは、協力や団結、連帯にあたって労働者の問題を前進させるために、統一的なネットワーク構造を構築するイニシアティブを歓迎、奨励、支援する。これは労働者同士を競い合わせようとする企業と闘う最善の方法だ」

 バーラット・ベンツ、フォード・インド、シュコダ、BMW、フォルクスワーゲンといった企業の経営側代表が参加。彼らは不安定雇用の問題について、主要メーカーも含めた自動車業界関係者全員が、ストップ不安定雇用に向けた集団的な立場を模索するために交渉のテーブルに着くべきだと語った。

 アプールヴァ・カイワール・インダストリオール地域事務所所長が以下のように述べた。
 「インドの自動車産業には女性がほとんどいない。工場で、もっと多くの女性労働者の採用を奨励しやすい環境を作る必要がある」

 組合代表は労働安全衛生の問題について議論し、行動を起こすために組合の能力と知識を強化する必要があると強調した。参加者は、自動車労組の間で連帯を改善するために、ネットワークを強化するとともに情報を共有し、組織構造を確立することを決定した。

 参加者は、獄中のマルチ・スズキ労働者に連帯を表明し、その釈放を確保するための取り組みを支援する旨決議した。

 インダストリオール加盟組織WPTUCのR・クチェランが次のように述べた。
 「協調的行動が必要とされている中で、インダストリオールが自動車労組代表を集めてくれたことを祝福する。自動車部門における急速な技術変化と電気自動車の導入は、雇用保障と雇用に課題を突きつけている。統一的な組合行動は、インドの自動車部門で労働者の権利を守るために何よりも重要だ」

« 前のニュース  次のニュース »