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第71号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2017年9月30日)

インダストリオール、鉄鋼メーカーのテルニウムをOECDに提訴

2017-09-14

労働権と組合の承認を求めるグアテマラのテルニウム労働者

 インダストリオール・グローバルユニオンは、グアテマラ事業で労働組合の承認・交渉を拒否したことを理由に、多国籍鉄鋼メーカーのテルニウムをOECDに提訴した。

 グアテマラのFESTRASを通してインダストリオールに加盟しているSITRATERNIUMは、2012年3月の正式登録以降、テルニウムで承認を得ようと苦闘している。労働者は、長時間労働や薄給、適切な休暇の欠如、不十分な健康保険に関して懸念を表明したところ、解雇すると脅されたため、結集して労働組合を結成した。

 同社は当初、SITRATERNIUMの創設メンバー27人全員を解雇したが、最終的に裁判所によって労働者の復職を強制された。会社側は繰り返し組合の承認を阻止しようとしたが、結局、2015年2月にグアテマラ最高裁判所はSITRATERNIUMの合法性を確認した。

 テルニウムは労働省から対話を求める裁定や度重なる要請を受けていながら、組合との交渉を拒否し、法律に違反している。労働省は組合を支持すると述べているが、テルニウムの違法行為を処罰していない。グアテマラは国際労働組合総連合の2017年世界労働権利指数で、労働者にとってワースト10の国・地域の1つに挙げられている。

 労働省の検査官は今年2月、テルニウムが労働者に「アルコール・薬物検査を受けなければ停職処分とし、検査に不合格の場合は解雇する」と告げたうえで、強制的な検査方針を不法に実施したことを確認した。労働省がテルニウムに書簡を送り、検査方針の中止を命じた翌日、同社は受検を拒否した労働者3人を解雇した。

 テルニウムとテナリスは他の国々の工場では一般に組合と正常な関係を築いているため、テナリス・テルニウム労働者世界協議会に所属する組合は、SITRATERNIUMの扱いに衝撃を受けている。テルニウムとテナリスは、いずれもコングロマリットのテチントが所有している。

 OECD加盟国のルクセンブルクに本社を構えるテルニウムはラテンアメリカ有数の製鉄会社で、グアテマラ、メキシコ、アルゼンチン、ブラジル、コロンビアおよびアメリカの生産施設に1万9,000人以上の労働者がいる。

 ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は次のように述べた。
 「テルニウムは、南北アメリカをリードする製鉄会社になりたいと言っている。だが同社は明らかに、グアテマラでの労働者の扱い方においてリーダーシップを示していない。テルニウムはSITRATERNIUMとの交渉を避けるために、ありとあらゆる手段を試みている。私たちはOECD提訴によって、グアテマラのテルニウム労働者がこれ以上権利を侵害されてはならないことを強調したい」

 この提訴は、インダストリオールとSITRATERNIUM、北米のインダストリオール加盟組織である全米鉄鋼労組(USW)のカナダ支部が、ルクセンブルクのOECDナショナル・コンタクト・ポイントに申し立てている。

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