バングラデシュの労働権侵害に関するEU行動の大幅な遅れを示す新たな証拠
2017-10-18
新しい証拠を受けて、労働組合と労働組織は今日、欧州委員会に対し、バングラデシュの貿易調査を開始するという約束を守るよう改めて要求した。同国政府は、既製服産業の労働組合権に関する法律・慣行の緊急に必要とされる改革を怠り続けている。
クリーン・クローズ・キャンペーン、国際労働組合総連合、欧州労働組合連合、インダストリオール・グローバルユニオンおよびUNIグローバルユニオンは今日、新しい白書を発表して欧州委員会に送付し、バングラデシュ政府が4年前に欧州連合と「持続可能性コンパクト」を締結していながら、同コンパクトに違反し続けており、衣料産業による中核的国際労働基準の遵守を確保するために必要とされる極めて重要な改革を実施していないという明らかな証拠を提示した。
この白書は、バングラデシュのラナ・プラザ・ビル崩落後、EU、ILO、組合・労働権団体、国際社会のその他の利害関係者にとって依然懸念の焦点となっている、4つの主要分野に焦点を合わせている。すなわち、労働法改革、輸出加工区(EPZ)における結社の自由、組合登録の改善、組合差別の抑制である。
バングラデシュの持続可能性コンパクトには、この4つの問題分野で期限を定めた具体的行動がいくつか盛り込まれており、バングラデシュ政府は2013年のコンパクト締結時にその実施を約束している。しかし、バングラデシュは必要な行動を先送りし続けており、EUはバングラデシュで中核的労働権・人権基準の遵守状況を確認するための貿易調査をまだ開始していない。
ジェニー・ホルドクロフト・インダストリオール書記次長は言う。
「約束に反して、バングラデシュで労働者が基本的労働権を行使することは今なお極めて困難な状況にある。バングラデシュ政府が労働者の権利を保護するために必要な行動を相変わらず取ろうとしない事実は、EUが大いに必要な貿易調査を開始する十分な理由だ」
欧州委員会は2017年5月、行動の期限を2017年8月まで延期し、バングラデシュ政府はEUの特恵貿易制度の適用資格を維持するために、それまでにEUに「具体的な進展」を示すよう求められた。この期限はそれ以前にも何度か延期されており、現在に至るまで何の措置も講じられていない。これは欧州委員会が、貿易調査によってバングラデシュ政府に適切に責任を負わせるために、自らの権限を行使したがっていないことを示している。
ベン・バンペペールストレーテは、クリーン・クローズ・キャンペーン(CCC)を代表して次のように述べている。
「労働法改革に向けた進展が不十分であり、EPZで労働者の結社の自由を改善するためにどのような措置が講じられるかが分からず、組合登録の慣行が急激に悪化しており、組合に対する激しい暴力が多発している。バングラデシュ政府は、これまで4年間、多大な技術的・財政的支援と改革への取り組みを示す数多くの機会を与えられてきた」
EUはバングラデシュの最大の貿易相手国として、バングラデシュにおける労働基準の遵守を確保するために助力する権限を持っているだけでなく、その責任を負っている。バングラデシュに関するCCCの新しい白書には、組合活動家が深刻な組合差別と暴力にさらされ続けている実態を浮き彫りにする事例研究がいくつか掲載されている。これらの事例は、賃金をめぐる平和的な抗議行動に対して今年すでに実施された弾圧と並んで、バングラデシュで有意義な変化を確保するための方法として、対話がまったく効果を上げていないことを証明している。
国際労働組合総連合(ITUC)のシャラン・バロウ書記長は言う。
「バングラデシュ政府は一貫して国際法に基づく義務を果たしておらず、労働者の権利を保護しようとしない。その結果、衣料産業の労働者は絶えず搾取と貧困賃金に苦しんでいる。EU調査は、バングラデシュの工場所有者による議会・政府に対する締め付けの打破に役立ち、労働者とその家族に極めて重要な支援を提供するだろう」
UNIグローバルユニオンのクリスティー・ホフマン書記次長が付け加える。
「バングラデシュ政府は非常に長い間、本格的な改革を避けようと行動を先送りしてきた。団結権・交渉権はバングラデシュの労働者にとって今も空約束のままで、現場では何の変化もない。EUは影響力を行使して調査すべきだ」
欧州労働組合連合(ETUC)代表のリイナ・カー連合書記長が言う。
「私たちは欧州委員会に対し、世界中で労働権の尊重を促進するために『万人のための貿易』方針に従うよう求める。EUとバングラデシュとの貿易は、労働基準を引き上げるチャンスにしなければならない。バングラデシュの衣料産業における労働者の搾取は、底辺への競争において最終的にヨーロッパの労働者にも影響を与えるものであり、この悪循環を断ち切る必要がある」
ITUC、インダストリオール、UNI、ETUCおよびCCCは欧州委員会に対し、期限の延長をやめるとともに、引き続きEU市場への特恵制度を受ける資格があるかどうかの貿易調査の開始によってバングラデシュ政府に対するEUの警告を実行し、バングラデシュに圧力をかけて有意義な労働改革に着手させるよう促している。貿易調査は、バングラデシュ政府が正しい行動を取る十分な機会を提供するが、変化のために明らかに必要な圧力も加えるだろう。