テルニウムCEOにスティーリー賞は時期尚早
2017-10-10
インダストリオール・グローバルユニオンは、ラテンアメリカ有数の鉄鋼メーカーであるテルニウムのCEOが、世界鉄鋼協会(ワールドスチール)の名誉ある賞にノミネートされたことを疑問視している。
テルニウムCEOのダニエル・ノベヒルは、10月16日(月)にブリュッセルで授与される第8回スティーリー賞で「インダストリー・コミュニケーター・オブザイヤー」にノミネートされた4人の候補の1人である。
しかしノベヒルの会社は、グアテマラの工場でテルニウム労働者を代表している組合SITRATERNIUMを再三にわたって無視し、コミュニケーションを取ろうとしていない。
2017年9月14日、インダストリオールとSITRATERNIUM、全米鉄鋼労組は、グアテマラにおける労働者の権利に関するOECD多国籍企業行動指針の違反で、テルニウムをOECDに提訴した。
テナリス・テルニウム労働者世界協議会のカルロス・デ・サンクティスは、ワールドスチールのエドウィン・バッソン事務局長への書簡で次のように述べた。
「当協議会は何度も懸念を表明し、同社と対話しようと努めましたが、ノベヒル氏はじめテルニウム当局者の誰からもまったく反応がありません。裁判所は何度も、同社が労働者による基本的権利の行使を防ぐために違法行為を犯したとの裁定を下しましたが、CEOはこの件についていっさい公式声明を出しておらず、同社はそれらの違法な権利侵害を続けています」
「現在の状況下でノベヒル氏は、この賞の表彰対象と言われる『世界全体に対して鉄鋼業を代表する最も優れた人物』とは思えません」とデ・サンクティスは付け加えている。
テルニウム・インターナショナル・グアテマラは過去4年間に労働組合幹部を何人か解雇し、裁判所命令を受けてやっと再雇用した。グアテマラの法律に定めがあるにもかかわらず組合休暇手当を支給せず、グアテマラの副労働大臣が仲裁役を申し出たときでさえ、労働協約を取り決めようとする組合側のあらゆる努力を拒否した。
「インダストリー・コミュニケーター・オブザイヤー」賞の候補者はワールドスチールが選出し、メディア関係者が投票する。ダニエル・ノベヒルはワールドスチールの役員で、テルニウムのパウロ・ロッカ会長は執行委員を務めている。
ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長はこう語った。
「ノベヒル氏に対し、インダストリー・コミュニケーター・オブザイヤー候補者にふさわしい行動をし、可能な限り早くグアテマラの従業員と対話を始めるよう求める。テルニウムのCEOとして、同氏には労働者とコミュニケーションを取り、労働者の意見を聞く責任がある。もう一度、SITRATERNIUMを承認して同労組と交渉するようテルニウムに要求する」
ルクセンブルクに本社を構えるテルニウムはラテンアメリカ有数の製鉄会社で、グアテマラ、メキシコ、アルゼンチン、ブラジル、コロンビアおよびアメリカの生産施設に1万9,000人以上の労働者がいる。
SITRATERNIUMはグアテマラの労働組合連合FESTRASを通してインダストリオールに加盟している。