台湾の労働組合が「史上最悪」の労働法を非難
2018-01-17
台湾の労働組合と市民社会は、このたびの労働法修正を史上最悪と評し、その影響を緩和する準備をしている。
台湾の立法院は1月10日(水)、労働基準法の変更を承認した。これによって使用者は、労働者を12日連続(交代勤務間の休憩はわずか8時間)で働かせる権限を与えられる。現行制度では、11時間の義務的休憩を与えて7日連続で労働者を働かせることができる。この修正は3月1日に実施される。
インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織、台湾石油労組(TPWU)の会長であり、台湾全国産業総工会(TCTU)の会長も務めるチュエ・アン・チュアン氏はこう語った。
「私たち労働組合は、新法採択の問題点と影響に取り組むために踏み出さなければならない。さらに、労働基準法の今後の修正に関して政府と交渉を重ねる必要がある」
台湾人権委員会のメンバーは現在、修正の調査を求めており、この修正は1976年に国連総会が制定した国際人権章典に違反しているかもしれないと考えている。
チュアン会長は次のように付け加えた。
「修正案は労働者ではなく使用者を強く支持している。私は台湾の過重労働問題を深く懸念している。この新しい法律が実施されれば、この問題は悪化の一途をたどるだろう。
ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は次のように述べた。
「新しい労働基準法修正は台湾の労働者に対する侮辱だ。労働者を倒れるまで酷使しても繁栄は促進されず、労働者が完全に持続不可能な状況下で働かされて衰弱するだけだろう。私たちは、この法律と闘う加盟組織の取り組みを支援する」
昨年10月に台湾政府が論議を呼ぶ修正を提案してから、TCTUは他の労働組合や社会運動家、学生グループ、学者と協力しながら、この法改定に抗議するメーデー行動同盟を結成している。
1月8日に議員が2回目、3回目の修正審議に入ると、メーデー行動同盟のメンバー300人近くが立法院の前で一夜を明かした。
2017年12月23日の行進にはほぼ1万人が参加し、デモ参加者が台北駅に近い主要交差点を封鎖したあと、10人の組合幹部と学生が逮捕された。