トルコで金属労働者13万人がスト突入を決意
2018-01-17
組合側が使用者側の最終案を拒絶し、トルコの金属労働者は、ルノー、ボッシュ、フィアットなどの主要多国籍企業を含む約180の職場でストに備えている。
トルコの金属産業の特徴は、低賃金、長時間労働、高い労働災害発生率、不当利益、非常に高い生産性である。そしてビルレシク・メタル・イスの調査によると、低賃金が原因で金属労働者の85%が負債を抱えている。
トルコの金属産業では2015年5月、6月の幅広い抗議行動に続いて、2017年10月初めに労働組合3団体(ビルレシク・メタル・イス、チェリク・イス、トルコ・メタル)と金属産業使用者団体MESSの間で部門全体の団体交渉が始まった。
組合側の要求は、2カ年労働協約による大幅な賃上げと社会的給付、解雇予告手当・解雇手当、超過労働手当・夜間労働手当、有給休暇、安全衛生対策の改善、追加的健康保険である。これに対してMESSは、3年協約による(実績インフレ率さえ下回る)低い賃上げ率を提示した。
2017年12月初めに交渉が決裂したため、3組合は争議を通知し、残業の拒否などの警告行動に出た。トルコの法律に従って公的調停人が任命されたが、争議を解決することはできなかった。間もなく調停人の報告が発表される。
1月11日、3組合はMESSの最終案を拒絶した。ビルレシク・メタル・イスは、使用者側の案を「取るに足りない」「容認できない」内容と断じ、組合が伝えようとしていることを使用者は明確に理解していないと述べた。チェリク・イスは「この提示によってMESSは誤った主張にこだわり、危機と混乱を招いた」と発表した。
トルコの法律に従って、組合側は調停人の報告書を受領後、「争議報告書の通知日から60日以内にスト指令の決定を下すことができ、スト実施日を6労働日前に相手方に伝え」なければならない。3組合はスト決行を公然と表明している。
トルコがこれまでストを禁止してきた経緯を考えれば、今回のストも先例に従うという深刻な懸念がある。
トルコの労働組合法は「ストライキの延期」を認めており、「閣僚会議は、公衆衛生または国家安全保障にとって有害な場合、命令によって合法的なストライキを60日間停止することができる」。そして、「停止期間の満了日までに合意に達しない場合は、6労働日以内に一方当事者から申請があれば、高等調停委員会が争議を解決する」。つまり組合は、完全なスト禁止措置を指す「延期」後はストを継続できないということである。
ビルレシク・メタル・イスは1月13日にイスタンブールでスト権に関する会議を開催、同労組の執行委員会は、トルコの他のすべての金属部門組合に対し、共同でストを実施し、政府がスト禁止を発令したら抵抗しようと呼びかけることを決定した。
ヴァルター・サンチェス・インダストリオール・グローバルユニオン書記長が会議で発言し、次のように述べた。
「グローバル・ユニオン・ファミリーは、トルコの金属労働者の闘いを引き続き最大限に支援していく。スト権は基本的労働権であり、すべての労働者が行使できなければならない」
「トルコ政府はこの権利を承認し、いかなる方法でも妨害してはならない」
ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は言う。
「トルコの金属労働者は、非常に収益性の高い産業で生産性を高め続けているが、使用者はこの富をほんのわずかであれ労働者と共有したがっていない」
「MESSが提示した案は金属労働者を愚弄しており、インダストリオールはよりよい協約を勝ち取るまで労働者を支持する」