組合が女性に対する暴力や嫌がらせに対応しなければならない理由
2018-02-12
#Metooや#Timesupのような最近のソーシャルメディア・キャンペーンは、職場におけるジェンダーに基づく暴力を強調し、この問題の範囲の広さを示している。労働組合は女性に対する暴力への対策を取り、ジェンダーに基づく暴力に関する拘束力のある国際法を提言する必要がある。
女性に対する暴力や嫌がらせは広範囲
世界保健機関によると、全世界で15歳を超える女性の35%(8億1,800万人)が、家庭や地域社会、職場で性的暴力や身体的暴力を経験している。組合は、女性に対する暴力が現実に存在し、至るところで発生しているという認識を高め続ける必要がある。
女性に対する暴力は人権侵害
女性に対する暴力の撤廃に関する宣言によると、「女性に対する暴力」とは「ジェンダーに基づく暴力行為で、女性に対する身体的、性的または心理的な危害または苦痛をもたらすか、もたらす可能性のあるものであり、そのような行為の威嚇、強制または独断的な自由の剥奪を含み、公的生活で起こるか私的生活で起こるかを問わない」。この宣言は、女性に対する暴力が女性の権利と基本的自由の侵害であることを認めており、ウィーン宣言および行動計画は、公的・私的生活における女性に対する暴力の撤廃は人権に関する義務であると認めている。
女性に対する暴力は職場における男女平等の障害
女性は労働市場に参入する可能性が男性よりも低い。性的暴行や嫌がらせは依然、女性が労働市場に参入して発展したり、特定の職務を遂行したりするうえで妨げとなる障壁である。同時に、賃金も地位も低い不安定な雇用や職務に女性が追いやられ続けている現状は、これらの女性労働者にとってリスクを高める要因となっている。
労働組合は職場における女性に対する暴力の防止・根絶において基本的な役割を担う
仕事の世界における男女に対する暴力に関するILO労働者活動局の報告によると、ディーセント・ワークへのアクセスと非差別、労働組合による保護は、職場における男女に対する暴力の防止に密接に関連している。組合は、組合員の間でセクシャル・ハラスメントに対する認識を高めたり、苦情の申し立てや処理の手続きを定める方針や合意を取り決めたり、セクシャル・ハラスメントを防止したりするうえで重要な役割を果たす。
ジェンダーに基づく暴力に関するILO条約が必要
仕事の世界における暴力や嫌がらせ(ジェンダーに基づく暴力や嫌がらせを含む)の根絶に向けた行動の基準を定める国際規範は、まだ存在しない。包括的なILO条約を採択して勧告により補足し、職場におけるジェンダーに基づく暴力の防止、対処および是正に強く焦点を当てる必要がある。
インダストリオールは全加盟組織に対し、3月8日に結集して男女平等の達成に向けた組合の決意を示し、女性に対する暴力を拒否するよう呼びかけている。