イギリスでユナイトと連帯してGKNの敵対的買収に反対
2018-02-06
インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパは、イギリスの加盟組織ユナイト・ザ・ユニオンとの連帯を表明し、メルローズが意図しているGKNの敵対的買収に結束して強い反対を表明している。
GKNは全世界で6万人近い労働者を雇用する自動車・航空宇宙の「1次」サプライチェーン・メーカーで、現在メルローズ・インダストリーズによる買収の脅威にさらされている。
インダストリオール・ヨーロッパとインダストリオール・グローバルユニオンは、メルローズは株価をつり上げて売り抜けるために企業を購入する「再建」会社であるというユナイトの深い懸念を共有している。メルローズには、GKNほどの大企業を経営した経験もなければ、必要とされる本格的な長期投資計画もない。
ユナイトは2月5日発表のプレスリリースで下院のビジネス・エネルギー・産業戦略委員会に対し、借金を原動力にしたメルローズによるGKN公開買い付けの見直しを強く主張するよう求めた。現在、この取引は政府の産業戦略と国防利益を損なうのではないかという懸念が広がっている。
ユナイトは英国最大の組合として、下院国防委員会にもメルローズによる公開買い付けに関する懸念を表明した。ユナイトの考えでは、この買収が成功すれば、長期投資が枯渇して研究開発費が削減される可能性があり、その結果、雇用が危機にさらされるだけでなく、イギリスの現在および将来の防衛力が損なわれる。
インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパの書記長、ヴァルター・サンチェスとリュック・トライアングルは、ユナイトの支援要請に素早く対応し、ユナイトの立場を強く支持する連帯書簡を送った。
「特に懸念されるのは、メルローズの公開買い付けが借金を資金にしており、これがGKNの株主に『例外的な配当』を支払うために利用されるであろうことです。そうなるとGKNが債務を背負うことになり、メルローズはいっさいリスクを負わず、同社幹部はこの取引から2億8,400万ポンドのボーナスを得るでしょう」
「この公開買い付けは株価だけに狙いを定めており、GKNの自動車・航空宇宙両部門の好調な基本的業績を重視していません。両部門が本当に必要としているのは長期投資であって、削減とリストラで株価をつり上げることによって投資資金の歓心を買おうと競争する2組の経営陣ではありません」
インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパは、これらすべての要因を考慮に入れて、ヨーロッパおよび全世界の鉱業・エネルギー・製造業労働者数百万人のネットワークにも、メルローズによるGKNの敵対的買収に反対するよう促している。