IGメタル、大勝利でワーク・ライフ・バランスの先例を設定
2018-02-06
ドイツのインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織IGメタルは、金属・自動車部門で勝利を収め、自分のワーク・ライフ・バランスを決定する労働者の権利の先例を作った。
IGメタルは、労働者が家庭・介護責任を果たすために最大2年間、週労働時間を標準の35時間から28時間に短縮する権利を与えるべきだという主な要求を勝ち取った。これは賃金よりも労働時間を優先する初の主要な労働協約である。
この2カ年部門別労働協約は、何度かの緊迫した交渉と34年ぶりの一連の24時間「警告スト」を経て、IGメタルとドイツ南西部の使用者団体Sudwestmetallが締結した。
一連のストにより、ポルシェ、ダイムラー、BMW、エアバスのようなメーカーは生産低下で2億ユーロ近い損害を被った。IGメタルは、使用者団体が真摯な提示をしなければ、組合員に争議行為拡大の投票を求めると明言した。
協約の対象はドイツの産業中心地の労働者90万人である。他の地域の使用者団体も、合計390万人の労働者を対象に同じ条件の協約を締結する可能性がある。
この協約によって賃金が27カ月間で4.3%引き上げられ、いくつかの補足的な給付も支払われる。IGメタルは6%の賃上げを要求していたが、使用者は当初2.3%を提示した。同労組はその後提示された6.8%の賃上げを拒絶し、時短の要求を強く打ち出した。
この協約は、1990年の東西ドイツ統一以来の力強い景気回復と最低水準の失業を背景に、ドイツで10年にわたって続いてきた賃金抑制の終わりを告げている。使用者と欧州中央銀行は、この交渉結果を心待ちにしていた。この結果は大陸全体で賃金妥結と景気予測に影響を与えるだろう。
「この労働協約は、現代的で自立した労働の世界に向けての画期的な出来事だ」とイェルク・ホフマンIGメタル会長兼インダストリオール会長は述べた。
ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長はこう述べた。
「これまでは企業が労働者に柔軟性を要求し、その逆ではなかった。これが覆された。労働者に労働時間短縮とワーク・ライフ・バランス決定の権利を与えることは、労働組合がインダストリー4.0に対応する素晴らしい方法だ」
「新技術によって生産性は上昇し続けるが、必ずしも新規雇用が創出されるわけではない。労働時間を減らしてなお十分な収入を得る権利の確保が不可欠な対応だ。インダストリー4.0による生産性上昇は社会および労働者と共有しなければならない。労働時間の短縮は、少数者への富の集中がこれ以上進まないようにするための方策だ」
「今回の賃上げはドイツ経済にも下から刺激を与える」
IGメタルはほぼ300万人の組合員を擁し、世界で最も大きく最も強力な組合の1つである。