組合がゼネラル・エレクトリックに対抗して共同行動を実施
2018-05-15
北米とヨーロッパ、アジアでゼネラル・エレクトリック労働者を代表する組合は、2018年5月7~8日にカナダのトロントで開かれたインダストリオールのゼネラル・エレクトリック労働組合ネットワークの会合において、同社で労働者の意見を考慮させることを誓約した。
ゼネラル・エレクトリック(GE)は170カ国で活動する世界有数の多国籍企業で、31万人以上の従業員を直接雇用している。社会的責任を進んで果たしていることを誇りとし、最も働きやすい会社、最も倫理的な企業、ワーキング・マザーが働きやすい会社ベスト100など、倫理部門で各種の世界的な賞を受賞している。
しかし、ネットワーク会議に出席した組合が明らかにしたところによると、GEは特に北米とヨーロッパで、同社の礎となった労働者と地域社会から立ち去り、次世代の雇用と安定した仕事の機会を台無しにしており、不振に陥った事業部門と環境損害、荒廃した地域経済があとに残された。
組合の報告によれば、例えばヨーロッパでは、GEは短期的利益と株主価値の創出を唯一の目的として、労働者とともに達成してきたものをすべて放棄しようとしているように思われる。北米では、ユニフォーとUEが団結して「ゼネラル・エレクトリックは地域社会に責任を」キャンペーンを開始し、民主的・社会的な労働組合主義と米加両国労働者間の国際協力に基づく労働運動改革に取り組んでいる。(「労働者が団結してゼネラル・エレクトリックに対抗」を参照)
この会合は、GEの事業が労働安全衛生と環境に与える影響にも焦点を合わせた。ユニフォー代議員は、オンタリオ州ピーターバラのGE工場で働く労働者が3,000種類を超える有毒化学物質にさらされており、少なくとも40種類に発癌性のあることが分かっているか、その疑いがあると報告した。代議員は、労働安全衛生や持続可能な産業政策など、いくつかの問題を中心に共同活動・キャンペーンを実施する可能性を調べることに合意した。
会合に出席した組合は、公正かつ公平な社会的ビジネスモデルの達成を目的として、GE経営陣がGE労働者を代表する組合と協力しなければならないことを再確認した。代議員は、ゼネラル・エレクトリックに対して共同行動を取るために、全会一致で会合声明を採択した。その狙いは、ネットワーク全体で集団活動を支援する明確な戦略を策定して目的を確保することであり、例えばGE労働組合ネットワーク戦略計画2018-2020を実施するために具体的措置を講じる。
GE労働組合ネットワークは以下の行動に重点を置く。
- 世界中でGE労働者を組織化し、組合の力を構築して団体交渉を強化するために、集団的努力を調整する。発展途上にある組合が組織化し、同社に世界中でILO条約と中核的労働権を承認させ、完全に遵守させようと努力するうえで支援する。
- 協調活動のために、GE社内の主要意思決定者を確認する。これには役員や株主、同社から製品を調達しているクライアント・顧客・行政当局(特に幅広い同盟を構築できる場合の提携相手)が含まれる。
- 同社経営陣に圧力をかけるための戦略を策定し、私たちの関心事に取り組ませ、労働組合ネットワークをGE労働者の正当な世界的代弁機関として認めさせる。
- 世界・地域レベルで定期的な社会的対話メカニズムを確立し、GEで建設的な労使関係と持続可能な雇用を可能にするために、同社とのグローバル枠組み協定を追求する。