インドの自動車労組、不安定雇用との闘いを決議
2018-05-09
不安定雇用はインドの自動車産業に深く根づいている。この国では、ほとんどすべての主要自動車会社が低賃金と劣悪な労働条件で大量の不安定労働者を雇用し、労働者は雇用を保障されていない。
チェンナイ、ベンガルール、プネー、デリー首都圏、マディヤプラデシュ、オーディシャーおよびジャールカンドの自動車会社とタイヤ会社の組合代表が5月3~4日にプネーのワークショップに集まり、これらの課題をめぐり討議した。
アプールヴァ・カイワール・インダストリオール南アジア地域事務所所長が、インドの自動車産業で大量の不安定雇用が利用されている状況は持続可能な開発に深刻な影響を与えていると述べた。
「インドの自動車産業では、常用労働者と不安定労働者の賃金格差と労働条件の違いが大きい」
ドイツのインダストリオール加盟組織IGメタルの代表が参加し、ドイツの自動車産業における不安定雇用の広がりと、不安定労働者の利用を許容水準に抑えるために採択された戦略について説明した。
ゲオルク・ロイテルト・インダストリオール自動車担当部長が、自動車産業の不安定雇用に関するグローバルな視点を次のように述べた。
「自動車会社は、柔軟性の確保、コスト削減および雇用保護法の迂回のために不安定労働者を利用している。不安定労働者は常用労働者とほぼ同様の職務を遂行していながら、平等な賃金、労働条件および組合権を与えられていない」
「組合は不安定雇用と闘って労働者全員を組織化し、持続可能な開発の達成、組合の交渉力の強化、労働者間の団結構築を目指さなければならない。インドの自動車部門で不安定雇用と闘おうとする試みはすべて、無視できない強力なメッセージを送る」
参加者は、不安定労働者の権利を守るために連帯を構築する旨決定。組合委員会で不安定雇用について討議し、この問題への取り組みの優良事例を文書化することによって、意識を高めるとともに、抵抗する方法を見つけることに合意した。
社会・文化・スポーツ活動を通じて常用労働者と不安定労働者との格差を埋めるために手を打つことで合意した。それぞれの企業で契約労働者の支部組合を結成する可能性を模索する。組合代表は、連帯努力を強化して不安定労働者の権利を守り、常用雇用化を長期目標として派遣・契約労働者を従業員に転換するために対策を講じることで合意した。さらに、すべての組合活動で女性と若者の積極的参加を促進することについても合意した。
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