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第82号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2018年8月31日)

連帯が奏功――ノルウェーでオロナのエレベーター労働者が協約締結

2018-08-02

ノルウェーのエレベーター製造労組は、会社側(スペイン系多国籍企業)が労働協約交渉を拒否したことを受け、ストに入っていた
それから3カ月後に会社側は交渉の席に着き、13時間にも及ぶ交渉の末に会社と労働協約について合意に達し、ストが終了した

 ノルウェーのエレベーター製造労組は、使用者のオロナ(スペイン系多国籍リフト製造・保守会社)が労働協約交渉を拒否したことを受けてストに入っていたが、このたび重要な勝利を得た。

 エレベーター機械工は、労働条件を業界基準まで引き上げる労働協約を締結したいと考えていた。会社側が交渉を拒否したあと、5月14日にノルウェーで19人の労働者がストに入った。ほぼ3カ月後、13時間に及ぶ最後の交渉で組合とオロナが合意に達し、ストが終結した。

 オロナはこの部門で伝統的に有力なノルウェーの組合を避けようとし、ノルウェーでもっと多くの下請業者を利用することも望んでいた。ノルウェーの労働者の中核的要求は、ノルウェー有数のリフト製造会社であるオロナが、すでにティッセンクルップ、コネおよびオーチスの労働者に適用されている部門の労働協約(CBA)を採択することだった。

 インダストリオールは会社側に対し、団体交渉権に対する攻撃、特に労働者が基本的権利を行使したというだけで事業を閉鎖すると脅しをかける行為をやめるよう要求した。インダストリオールはオロナに、それぞれの労働者代表と公正な交渉を行い、ILO中核的条約とノルウェーの法律に関して公明な交渉プロセスを提供することも要求した。

 今回、ノルウェーのエレベーター製造労組は、この重要な闘いに勝利した――会社側は交渉の席に戻り、CBAの受け入れを余儀なくされ、それぞれの事業で下請けを利用しないことにも同意した。これは小規模事業だが、同社はこれまで労働者を組織化しようとする試みのほとんどに抵抗してきたので、ノルウェーの組合および世界中のオロナ労働者にとって大躍進である。

マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール機械エンジニアリング担当部長は言う。

「人数は少なくても、ノルウェーの同僚は強さと決意、連帯を証明した。私たちは世界中で労働者の連帯を示すためにも最善を尽くした。多国籍企業が反組合的なアプローチを採用していながら処罰を免れるのを許すわけにはいかない」

ノルウェー・エレベーター製造労組のマーカス・ハンセン会長はこう述べている。

「私たちはこれを完全な勝利とみなしている。要求がすべて満たされた。19人の機械工が闘いを仕掛け、最後までやり通す覚悟を決めたことを誇りに思う。他の組合やエレベーター製造労働者が絶大な支援を寄せてくれた。オロナは労働協約を求める私たちの主張に強硬に対抗し、ノルウェーから撤退するとまで言った。その時でさえ、その19人は団結し、この勝利を獲得するために大きな犠牲を払うことをいとわなかった。今回の勝利は過去10年間の闘いの中で特に重要な成果だと私たちは考えている」

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