インタビュー:ナポレオン・ゴメス・ウルティアのメキシコ帰還は結社の自由にとっての勝利
2018-09-11
12年間カナダに亡命していたロス・ミネロス指導者のナポレオン・ゴメス・ウルティアが、やっとメキシコに戻った。帰国後はアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール次期大統領が率いる政党・国家再生運動(Morena)で、上院議員として新しい役割を引き受ける。
自身の帰国は民主主義を求めて闘う独立労働組合にとって勝利であり、組合権の確保に向けた前向きな一歩だと思うか。
もちろん。民主主義を求めて闘う私たちにとって真の勝利だ。そして、ロス・ミネロスの労働者にとって勝利であるのみならず、メキシコ、ラテンアメリカ、さらには全世界の労働者階級にとっても勝利だ。
私たちは何とか12年に及ぶ政治的迫害と卑怯な攻撃に耐え、尊厳をもって抵抗してきた。それをとても誇りに思っている。
今度は、労働者の権利を回復するために懸命に働かなければならない。労働者の権利は、結社の自由と民主主義を弱体化させている腐敗した会社や企業、政府によって踏みにじられている。
次期上院議員として、労働者の権利を回復するために何をするつもりか。
私は宣誓就任の瞬間から、メキシコの労働政策を変えるために闘う。この国の労働政策は国内企業と多国籍企業の利益を最優先しているので、労働者の搾取の大部分を後押ししている。
雇用法を改革して新しい国家労働政策を策定し、労働者が公正な報酬を受け取り、尊厳をもって仕事をし、労働者の権利が尊重されるようにする。
違法な労働協約をなくさなければならない。それは労働市場をより民主的、自由かつ公正なものにするための改革案に盛り込まれる。
北米自由貿易協定でアメリカ、カナダおよびメキシコで労働者の雇用権を承認・保護させるための対策も講じたい。労働者階級の幸福が確保される未来の構築に役立つ本当の変化を起こすことを目指している。
メキシコ政府に、鉱山における安全および健康に関する国際労働機関第176号条約を批准させることができると思うか。
それは私の目的の1つであり、上院議員として果たすべき責任だ。内部から変革を起こさなければならないので、政府に協定への署名を求めて圧力をかけるつもりだ。
それは本当に重要なことだ――鉱山会社は今なお、まったくもって耐え難い条件で従業員を働かせている。我が国の労働者が仕事の内容や場所にかかわらず、生命や健康を危険にさらさなくてすむようにしなければならない。
あなたは記者会見で、パスタ・デ・コンチョス鉱山で死者を出した爆発事故の調査を再開させるべく努めると述べた。あの恐ろしい悲劇に公正な処断を下せると思うか。
私は最初から、グルポ・メヒコは産業殺人を犯したと主張してきた。私たちの要求は3つある。すなわち、爆発事故で亡くなった労働者の遺体を収容すること、遺族が適正かつ公正な補償を受け取るようにすること、調査を再開して悲劇の原因を突き止め、あのような過失を犯した者を裁くことだ。アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール新政権は、これらの要求を支持してくれると思う。
初めて、メキシコの内閣で女性が50%を占めるに至った。それは重要なステップだと思うか。それから、31歳のルイザ・マリア・アルカルデが新しい労働・社会福祉大臣になったことについてはどうか。
本当に素晴らしいことだと思う。私は常々、製造業や政治、組合活動への女性参画の支援・擁護に努力してきた。その点で妻のオラリアは素晴らしい同僚であり、私たちはともにメキシコで「ウィメン・オブ・スチール」のようなグループを創設した。ロス・ミネロスの同僚も、このような展開に大変満足している。
アルカルデはとても賢く、心構えが十分できている。必ずや労働・社会福祉大臣としての重責を果たし、私たちと効果的にコミュニケーションを取り、私たちの施策を支持して相互を尊重した対話を確立してくれるだろう。その際、政府と私たち議員の両方が力になれる。
私は成功を確信している。労働者階級だけでなく、より幅広い層の人々の幸福と繁栄を促進する新しい社会を構築するために、一緒に前進できればと願っている。