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第84号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2018年10月31日)

フィリピンで勝利、拡大出産休暇法が可決

2018-10-02

 10月1日に上下両院委員会の会議で関連法案が承認され、フィリピンは現在、14週間の有給出産休暇を実現しようとしている。この法律は2018年の105日拡大出産休暇法と呼ばれ、有給出産休暇を現在の60日または78日から105日に延長するもの。大統領の署名を待つばかりのこの法案は、インダストリオール加盟組合とパートナーが中心となって先導した集中的キャンペーンの成果である。

 インダストリオールは2014年、アジア全域で母性保護キャンペーンを開始した。インダストリオール加盟組織はフィリピンで、ILO第183号条約をベンチマークとして120日間の出産休暇を目指した。初期段階では、リサ・ホンティベロス現上院議員がインダストリオール・フィリピンの支援を受けて出産休暇120日の実現に取り組んだ。2016年の上院議員就任後、ホンティベロスの優先的法案の1つは120日の拡大出産休暇で、この法案は2017年3月に上院を通過した。

 インダストリオール・フィリピン女性委員会はキャンペーンの先頭に立ち、上下両院でロビー活動を行い、母性保護に関するインダストリオールの出版物を議員に提供し、フィリピン大統領に書簡を送り、メディアに説明し、他の労働・女性団体と協力してきた。

 このキャンペーンでは調査が重要な役割を果たし、フィリピンの母性保健・出産死亡率・関連統計、現行の出産休暇法と国際基準、持続可能な開発目標に基づくフィリピンの国際公約に関する情報を収集した。いくつかの東南アジア諸国(カンボジア、インドネシア、ミャンマー、フィリピン)の出産手当の比較分析を提供するインダストリオールの調査も、上下両院の議員に配布された資料に盛り込まれ、重要な役割を果たした。

 この法案は105日間の有給出産休暇に加えて、下記も定めている。

  • 既婚か未婚かにかかわらず、すべての女性労働者への上記給付の支給
  • 出産手当を理由とする女性に対する雇用差別の禁止
  • 違反企業に対する罰金と営業許可の非更新
  • 片親の有給出産休暇の15日増加
  • 105日のうち最大7日を女性労働者が指定した代わりの介護者に移転する選択肢
  • 民間部門の従業員は105日間にわたって賃金全額を受給しなければならないという主張の繰り返し――使用者に対し、従業員の賃金全額とフィリピンの社会保障制度が現在提供している金額との差額の支払いを義務づける条項

 この法案は、流産したり医学的に認められる妊娠中絶手術を受けたりした女性労働者にも、60日間の有給休暇を与えている。

 「有給出産休暇の延長によって、フィリピンでは女性労働者の権利が擁護される。フィリピン女性委員会と議員、その補助スタッフ、女性の擁護者、労働・女性団体、その他のすべての人たちが、この実現に関与したことを私は賞賛する。団結の勝利だ」とエバ・アルコス・インダストリオール執行委員は言う。

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