パキスタンの船舶解撤場で火災、労働者7人が負傷
2018-10-17
火災が発生したのは10月14日、パキスタンのバルチスタン州にあるガダニ船舶解撤場の第10区画で、労働者が石油タンカー「クリーティ」を解体していたときのことである。このタンカーはアラム・カーンという個人が所有している。第一報によると、7人の労働者が火災でやけどを負い、うち3人は重度のやけどで危篤状態にある。
消防隊は現場までたどり着いて火を消すのに苦労した。エディ財団のボランティアが何人かの組合労働者とともに犠牲者の救出に助力し、負傷者はその後カラチの民間病院に運ばれた。
火災の犠牲者(Abdul Qayoom、Khaliq、Muhammad Din、Muhammad Azam、Muhammad Akram、Muhammad Jabbar、Ehsan Ullah)全員が不安定雇用労働者だった。
皮肉にも、事故のちょうど前日、バルチスタン州の労働大臣が現場を訪れ、ガダニ船舶解撤労働者の労働・生活条件を視察したばかりだった。船舶解撤場の火災は珍しいことではなく、先週も第6および第7解撤場で火災事故があったが、幸い負傷者はいなかった。今回の事故を受けてバルチスタン州政府は、この地域で労働者によるあらゆる種類の船舶解撤活動と組立作業を禁止した。
アトレ・ホイエ・インダストリオール・グローバルユニオン書記次長は述べた。
「ガダニ船舶解撤場で安全性が軽視され、その結果火災が続発している現状は容認できない。2016年11月の大事故で労働者26人が死亡し、さらに多くの負傷者が出たあともなお、政府・使用者は教訓を学んでいないようだ。私たちはパキスタンのインダストリオール加盟組織とともに、バルチスタン州政府に船舶解撤規則の実施を、パキスタン政府に船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約の即時批准および実施を繰り返し要求している」
松崎寛ICT電機・電子・造船・船舶解撤担当部長はこう述べた。
「事故の犠牲者全員に適切な医療支援と補償を提供すべきだ。私たちは犠牲者と連帯しており、速やかな回復を願っている。この現場で安全基準を改善するために、政府・使用者は不安定雇用をなくし、労働者の結社の自由と団体交渉権を承認し、香港条約に沿って労働法と船舶解撤規則を実施しなければならない」