バングラデシュとインドは香港条約の批准を急げ
2018-11-21
インダストリオール代表団は、船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約(HKC)の批准プロセスを加速させるために、バングラデシュとインドで関連省庁と会談した。
今年に入ってからの死亡事故によってバングラデシュで19人、インドで9人の労働者が犠牲になったことを考えれば、両国でHKCを実施し、安全性の高い持続可能な船舶解撤産業を実現することが今すぐ必要である。
この条約を発効させるには、世界の商船の40%とリサイクルトン数の平均3%を占める15カ国が批准する必要がある。今までのところ、6つの造船国がHKCを批准している。中国が2019年1月から船舶解撤活動を制限するので、バングラデシュとインドは条約の発効において極めて重要な役割を果たす。
松崎寛インダストリオール造船・船舶解撤担当部長は言う。
「インドとバングラデシュは船舶解撤産業で持続可能な未来を達成するための鍵になる。HKCの批准と遵守は投資と安全衛生訓練、それに何よりも労働者の意見を考慮させる社会的対話をもたらすだろう」
ビジャーダール・ラネー・インダストリオール造船・船舶解撤部門副部会長と松崎寛は11月15日、バングラデシュ産業省高官と会談した。高官によると、バングラデシュ政府は香港条約の要件を満たすために、造船所レベルの状況改善に懸命に努力している。
国際海事機関と産業省との合弁事業であるSENSRECプロジェクトは、先ごろ承認された2017年バングラデシュ船舶リサイクル法と並んで、この目的を達成するための具体的措置である。
高官は、国内の船舶リサイクル施設を基準まで高めるために国際的協調と技術支援を求めていると述べた。
インダストリオール代表団は11月17日、インド海運省で共同次官と会談した。議論の中心は、社会的対話の確立、現場の問題を解決するための組合案、HKC批准プロセスの強化である。共同次官は、香港条約に沿って法律を起草しており、議会に提出する準備ができていると説明した。この法律が可決されれば、インドは条約を批准しやすくなる。