自動車労組がバリューチェーン組織化戦略を策定
2018-11-09
10月16~18日にチェコ共和国プラハで自動車部門労組の年次会合が開かれ、24カ国から76人の労働組合員が出席した。
この会合ではバリューチェーンにおける組合の力の強化に重点を置いた。自動車産業の特徴は長く複雑なバリューチェーンであり、最大でメーカー1社当たり4万社という膨大な数のサプライヤーが活動している。
バリューチェーンは意図的に隠された企業秘密であり、企業は透明性を欠いている。バリューチェーンを下に行くほど組合組織率が下がり、労働条件が悪化する。参加者は、この業界にサプライヤー関連情報を公表させるには、ラナ・プラザ規模の大惨事が起こらなければならないのだろうかと疑問を呈した。
参加者はバリューチェーンの複雑さに迷い込むのではなく、いくつかの重要部品、特にバッテリーのバリューチェーンに焦点を合わせることを決議した。これはコバルトの調達方法に関する懸念から監視の対象となっている問題であり、自動車会社と協力して組織化戦略に対する洞察を深める余地がある。
この重点的アプローチを拡大し、他の主要部品も確認するとともに、主要ステークホルダーとのバリューチェーン会合を設定して関係を発展させ、このアプローチの有用性を試す。例えばカーシート用皮革・繊維、タイヤ用ゴム、ウィンドウ用ガラスについて、部門横断的な活動を強化する。
会合では2人の新しい共同部会長が選出された。ゲーリー・ジョーンズUAW会長が退任したデニス・ウィリアムズ元UAW会長の後任になり、クリスティン・オリビエNUMSA国際書記が辞任したTEAMのシリジュンヤポーン・ジャントンランの跡を引き継ぐ。
来年、専門家グループが自動車産業における転換に関する会合を開き、特に変化の管理方法に関する最優良事例に焦点を当てる。2018年11月末までに新しい独立労連の設立が予想されるメキシコが主な焦点となる予定で、同様の準備作業が進んでいるインドも取り上げる。
チェコの加盟組織OS KOVOが会合の設定を手伝い、3日目には座席製造会社グラマーの工場を見学した。
ゲオルク・ロイテルト・インダストリオール自動車担当部長は述べた。
「インダストリオールの自動車部門は団結しており、グローバル・バリューチェーンで労働条件を改善するための努力を倍加する。将来の最重要製品であるバッテリーが最優先課題だ」