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第86号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2018年12月28日)

アルゼンチンの元フォード経営幹部2人に人道に対する罪で有罪判決

2018-12-17

 アルゼンチンの裁判所は国内のフォード工場の元経営幹部2人に、独裁政権時代のフォード労働者に対する人権犯罪への関与で有罪判決を下した。

 アルゼンチンが独裁政権下にあった1976年にフォードのヘネラル・パチェコ工場で労働者24人の誘拐・拷問に関与した罪で、ペドロ・ミュラーに自宅監禁10年、ヘクター・シビラに同12年の判決が下された。裁判官は、これらの行為を人道に対する罪と認定した。

 国際刑事裁判所ローマ規程によると、人道に対する罪とは、国際法の基本的な規範・基準に違反する行為、身体または心身の健康に多大な苦痛または重大な害を意図的にもたらす行為、一般市民に向けられた広範囲または組織的な攻撃の一環として、攻撃であることを知りながら実行された行為である。

 これらの罪は、1976年3月24日のクーデター後の数週間に犯されたと言われる。これをきっかけに先の文民・軍事独裁が始まり、1983年まで続いた。この間に数千人が行方不明になったり、拷問を受けたり、殺害されたりした。

 インダストリオールのラテンアメリカ・カリブ海副議長ラウル・エンリケ・マチューは次のように述べた。
 「アルゼンチンでは多くの人々が人道に対する罪で有罪判決を受けているが、外国企業の元経営幹部2人が判決を言い渡されたのは今回が初めてだ。40年後の今、この全員一致の評決が下されたことは、人権を支持する大きな流れを表している。私はアルゼンチン人として、この種の判決が言い渡されたことを誇りに思うが、フォードの同僚が迫害や拷問の結果味わった苦しみが消えるわけではない。この労働者たちはインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織のSMATA(アルゼンチン機械・自動車関連労組)に加入している」

 当時、ミュラーは工場長で、シビラは警備管理者だった。スペインの『エル・パイス』紙によると、裁判官は、ミュラーとシビラは大企業で組合幹部を弾圧する独裁政権の計画に積極的に関与したと裁決した。

 両名は軍関係者に労働者の写真や住所、その他の個人データを提供し、誘拐を助長したと非難された。アルゼンチンの『パージナ12』紙によれば、何人かの労働者は当時まだ19歳で、その他多くは組合幹部だったという。

 調査の焦点は経営幹部の刑事責任能力の判断であり、会社自体を対象とするものではなかった。労働者と弁護士は現在、この犯罪への加担でフォードを訴えたいと考えている。

最後に、アレハンドロ・バレリオ・インダストリオール地域事務所副所長が述べた。
「約3万人が誘拐されたり、拷問を受けたり、行方不明になったりしたラテンアメリカ史上屈指の残虐な出来事の加害者が、今なお裁判にかけられ、有罪判決を受けていることは非常に重要だ」
「今回のように、独裁政権の共犯者である民間人や企業が裁判にかけられていることも重要だ。彼らも労働者とその代表の迫害や暗殺に加担した」

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