再生可能エネルギー部門における強力な組合の存在は将来を左右する鍵
2018-12-12
機械エンジニアリング部門のインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織が2018年12月9~10日にスウェーデンのイェテボリで会合を開き、急速に成長している再生可能エネルギー部門の組織化を調査した。
オーストリア、ベルギー、ドイツ、インド、日本、ポーランド、スペイン、スリランカ、スウェーデンからの参加者が経験を共有した。再生可能エネルギー産業の開発は世界中で不均等だが、明らかな方向性があり、開発が進んでいる国々から学ぶべきことが数多くある。
オーストリアの加盟組織Pro-Geの会長で共同部会長を務めるライナー・ウィンマーは、開会の辞で次のように述べた。
「テクノロジーは、私たちが機械技師および労働組合員として、気候変動を緩和するために行える最も重要な貢献だ。私たちは風力を必要としており、太陽光を必要としており、バイオマスを必要としている。そして、公正なエネルギー転換を確保するには強力な組合が必要だ」
ドイツの加盟組織IGメタルのアンジェリカ・トーマスが述べた。
「私はCOP24で代議員を務めた。シレジア宣言に大変満足している。この宣言は公正な移行を通して気候変動の社会的側面に取り組むことを約束している」
設備製造は再生可能エネルギー・サプライチェーンの不可欠な部分である。だから、機械エンジニアリング部会のインダストリオール加盟組織は、この成長部門で従業員を組織化したいと切望している。会合では、エネルギー会社や設備製造会社とのグローバル枠組み協定および労働組合ネットワークを利用する機会について議論した。
マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール機械エンジニアリング担当部長は次のように述べた。
「これは新しい活動だ。再生可能エネルギー分野で働いている機械エンジニアリング部門の専門家が集まって、未来の雇用をめぐり議論している。この会合は研究所であり、互いの経験から学び、関連組合がどの方向へ進む必要があるか確認している」
スウェーデンの再生可能エネルギー部門は、特に水力に関して言えば比較的成熟している。マリー・ニルソンIFメタル会長が成長性についてこう説明した。
「私たちが恐れているのは新技術ではなく、古い技術だ。イェテボリはスウェーデン産業の基幹であり、この地域には多額の投資が流入している。人口が増えており、インダストリー4.0によって雇用が変化している。失業は過去最低水準にあり、私たちの問題は技能不足だ」
ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長が、テレビ会議で出席者に語りかけた。
「エネルギー部門および電子部門と緊密に協力しながら活動する再生可能エネルギー部門のネットワークが必要だ」
「このネットワークは組織化に焦点を絞り、紛争発生時に連帯支援によって対応できなければならない」
会合の一環として、1907年に市内に設立されたSKFベアリング工場を見学した。SKFのベアリングは風力・潮力タービンや輸送、ロボット工学、加工、可動部品を含むあらゆる産業分野で利用されている。回転効率のわずかな改善が、積もり積もって極めて大きな省エネをもたらす。
このSKF工場は高度に自動化されており、労働者はブルーカラーからホワイトカラーに移行している。しかし、現場のブルーカラー労組IFメタルは、仕事はなくなるのではなく変化すると考えている。
「労働運動の古いことわざを言い換えると、未来の労働者は午前中に機械をプログラムし、午後に顧客と話し、夜に新しい生産プロセスを開発する。これは仕事の進化だ」とザルコ・ジュロビッチIFメタル支部長は語った
2017年もまた再生可能エネルギーにとって記録破りの1年となり、再生可能エネルギー能力が過去最大の増加を達成し、コストが削減され、投資が増え、実現技術が進歩した。報告によると、2017年には1,030万人が再生可能エネルギー部門で働いており、アジアの雇用の60%を占めるに至った。再生可能エネルギー関連雇用のうち、太陽エネルギー部門が最大の使用者で、340万人近くが働いている。
会合参加者全員が、この活動を推進するとともに、エネルギーやICT電機・電子のような近隣部門と緊密に協力しながら組織化し、未来指向の職場で組合の力を確保することに合意した。