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第86号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2018年12月28日)

バングラデシュ政府、アコードの無効化と独立性の剥奪を画策

2018-12-10

 バングラデシュ政府は、アコードの活動を阻止するためにバングラデシュ最高裁に訴えており、労働者の安全を危険にさらしている。

 バングラデシュ政府は、11月30日以降のバングラデシュでの活動停止命令に対するアコードの上訴に関する裁判所への提出書類で、バングラデシュにおけるアコードの活動継続は、極めて妨害的な一連の制約のもとでのみ許可すべきだと述べている。これらの制約は、この全世界で尊敬を集める安全性イニシアティブから政府・使用者の管理を受けずに活動する能力を奪うものであり、今回の延長を最後にアコードはダッカに事務所を維持できなくなる。

 政府の条件が最高裁判所によって受け入れられれば、アコードの決定すべてに政府委員会の承認が必要となり、アコードの独立性が損なわれるだろう。もう1つの条件は、アコード検査官による新たな安全基準違反の確認を禁止しており、実質的に、検査で確認された致命的な危険(欠陥のある警報システム、塞がれた非常口、構造物の柱の亀裂など)を無視するよう要求している。さらに別の条件は、安全性に関する苦情を理由に労働者を脅したり解雇したりした工場所有者に対し、アコードが何の措置も講じられないようにしている。

 12月6日の審問では活動に対する制約へのアコードの反論が審議されたが、政府は対応を検討する時間を確保するために12月10日にもう1回審問を要求した。政府は今日、さらに12月17日までの延期を要求し、認められた。明確な方向性が見られず、アコードの今後は相変わらず不安定な状態にある。

 アコードに署名しているグローバル・ユニオン(インダストリオールとUNI)ならびに連署した4団体(クリーン・クローズ・キャンペーン、国際労働権フォーラム、マキラドーラ連帯ネットワーク、労働者の権利コンソーシアム)は、バングラデシュの貿易相手国と多国籍衣服ブランドに対し、バングラデシュ政府に圧力をかけてアコードの救命活動継続を妨げるこの衝撃的な措置を控えさせるよう呼びかけている。

 アコードは、2013年のラナ・プラザ工場崩落で1,000人以上が死亡した事故を受けて創設されて以来、バングラデシュの衣料工場の抜本的な安全性向上に役立っている。アコードは10万件を超える火災、建設物および電気関連の危険を確認し、その大多数が是正された。1,000工場以上で200万人超の労働者が安全訓練に参加した。

 この進展にもかかわらず、危険な状態が続いており、今なお労働者の生命が危険にさらされている。いまだに過半数の工場に適切な火災報知・検知システムがなく、40%の施設が改築の最中である。

 政府側の条件が認められれば、アコードは新たな安全上の問題を確認・報告することも、救命のために工場改築の完了に向けて支援することも、安全上の問題に関する労働者の苦情に対応することも、労働者と管理者向けに不可欠な安全衛生訓練を継続することもできなくなるだろう。そのような条件に基づく活動許可は、到底許可とは言えない。

 バングラデシュ政府がこれらの制約を直ちに取り下げなければ、アコードは活動の基準と独立を守るために、アムステルダム本部を拠点に活動を続け、検査・改善・訓練プログラムの管理体制を移転して実施のために下請業者を雇うしかない。これは必然的に工場の改善を支援するアコードの能力に影響を及ぼし、ブランド各社は安全性が確保されていないより多くの工場との取引関係を打ち切らざるを得なくなる。

 アコードは長い間、適切な国家取締機関に機能を引き渡そうと尽力してきたが、政府の改善調整室(RCC)はまだ開発の初期段階にある。国際労働機関(ILO)、バングラデシュの主要貿易国、ブランドをはじめとするステークホルダーは、RCCはまだアコードの検査作業を実施する準備ができておらず、対象工場の安全強化でも実績の裏付けがないという点で合意している。

 アコードは円滑な移行を確保するために、RCCの能力強化や政府・検査機関との協力に取り組んでいる。これを実現するための計画をすでに提出しているが、これまでのところ政府からは反応がない。

 工場検査、安全訓練および労働者苦情処理制度のために本格的な移行計画を実施するには、はるかに長い時間と政府による真の関与が必要となる。アコードが制約なしで活動を継続できなければ、それは実現できない。アコードは、2021年またはRCCの準備が明らかに整うまで、締約ブランドに対して拘束力を持ち続ける民間契約である。

 バングラデシュ協定は、ブランド各社やマルチステークホルダー・イニシアティブ、労働組合、NGO、投資家、政府代表、政治家によって、バングラデシュで工場の安全を守る唯一の信頼できる措置であると広く認められている。政府が工場の安全を保証できるようになるまで、バングラデシュにおけるアコードの活動継続を許可するために、法廷審問に向けて国際圧力が強まった。

 EU、カナダ、アメリカなどバングラデシュの貿易相手国は自国のブランドに対し、アコードに基づいてサプライヤー工場の安全を確保できるようにすることを求めており、この立場は欧州議会決議に例示されている。したがって、バングラデシュのRCCに出資している3カ国(オランダ、カナダ、イギリス)は、バングラデシュ政府に制約の撤廃を促すとともに、検査機関の進展に関する報告を公表し、バングラデシュの政治的意思によって真の移行計画を策定することの必要性を強調すべきである。この計画には、安全訓練と安全上の問題に関する労働者苦情処理制度も盛り込まなければならない。バングラデシュ政府がアコードの効果的な独立した活動を許可しない場合、貿易相手国は、この決定がバングラデシュとの貿易政策全体に与える影響を検討せざるを得なくなる。BGMEAとバングラデシュ政府が全面的活動を継続するための実行可能な方法についてアコードと速やかに交渉しなければ、バングラデシュの輸出に対する特恵関税の将来の見通しがはるかに暗くなる。

 衣服輸出国としてのバングラデシュの評判に取り返しのつかない損害を与えたくなければ、政府はアコードによる救命活動の継続を妨害するのではなく、今後バングラデシュの衣料工場の安全性を保証できる管轄国家取締機関の開発に焦点を合わせるべきである。

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