ロシアの組合がフォード工場救済に奮闘
2019-02-19
労働者は、ロシア・レニングラード地域フセボロジスクのフォード・ソレルス工場閉鎖で1,000人を超える雇用が犠牲になることを懸念している。関連労働組合は工場の閉鎖に対して反対運動を起こし、世界中の同盟者に支援を求めている。
インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織の地域間労働組合「労働者協会」(ITUWA)と現地のフォード労働組合組織から成るフォード・フセボロジスクの従業員代表委員会は、2月15日に共同声明を発表した。
フセボロジスク工場の閉鎖はまだ確認されていないが、フォードは2019年1月、ロシアでの開発戦略を見直すと発表した。見直しの結果次第では、フセボロジスクの工場とタタールスタン共和国にある2つの自動車・エンジン生産工場が閉鎖されるかもしれない。レニングラード地域当局は2019年の工場操業継続について同社経営陣と合意を結んでいるが、これはそれ以降もロシアにおけるフォード工場の今後を保証するものではない。
フセボロジスク従業員代表委員会は、インダストリオールとロシア労働同盟(KTR)に支援を要請し、フォード欧州経営陣に提案する意向である。
組合側は協力して経営陣に働きかけ、建設的な対話の開始を要求。組合と労働者の専門知識を活かして、雇用を保護し、工場を存続させ、フォードが往時の成功を取り戻すうえで役立つ工場の開発を提案している。
レニングラード地域とサンクトペテルブルクのITUWA会長を務めるイゴール・テムチェンコは言う。
「私たちの意見では、現地経営陣は企業の清算と従業員の大量解雇に伴うすべてのリスクを評価してはいない。労働組合には生産コスト削減と会社の発展に関する案がある。その結果、これらの措置によってフセボロジスク工場は救済されるだろう」
フセボロジスクのフォード・ソレルス合弁事業は2001年から活動しており、フォーカスとモンデオを生産している。この工場は現在、一交代制で1,020人を雇用し、およそ600人が製造スタッフ、400人が事務・管理スタッフである。工場は過去4年間、操業を短縮している。
バディム・ボリソフ・インダストリオール地域事務所所長が次のように述べた。
「フォードの事例は、同社のロシア市場参入時点から労使が社会的対話を行ってきたことの重要性を改めて浮き彫りにしている。この第1段階で、手続き開始に関する同社と政府との合意に、従業員の雇用保障と、大量解雇や事業閉鎖の場合における解雇手当の計算方式を盛り込むべきだ。私たちはフセボロジスクの労働組合の要求を支持し、フォード工場経営陣に建設的な社会的対話を行うよう促す」