ロシアの組合、フォード工場維持キャンペーンを準備
2019-03-21
フォード労組代表と国内外の同僚が、同社のロシア戦略見直し発表を受けて2日間の議論を行い、ロシアのフォード・ソレルス合弁事業で雇用を守るために可能な方法や、他のフォード工場が閉鎖された場合の対応を検討した。
3月15~16日にサンクトペテルブルクで開かれた会合を主導したのは、インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織の地域間労働組合「労働者協会」(ITUWA)とフォード労働者第1労働組合組織である。両組織はロシア・フセボロジスクのフォード・ソレルス工場において、共同で労働者の利益を代表している。
この会合には、ゲオルク・ロイテルト・インダストリオール自動車担当部長、ハンス・ラウィツケ・フォード欧州従業員代表委員会書記、ボリス・クラフチェンコ・ロシア労働同盟(KTR)議長も出席した。
2019年初めにフォードが開始した見直しの結果が今年第2四半期に公表される予定だが、労働者はすでに同社における自分たちの先行きを心配している。フォードは、ドイツで少なくとも5,000人の雇用を削減すると発表しているが、フランスはじめいくつかの欧州諸国でも工場閉鎖を計画しており、さらにブラジルの工場閉鎖も発表された。
フォード・ソレルスは2016年に238億ロシア・ルーブル(3億6,950万米ドル)の赤字を計上、2017年には状況が改善したが、それでもなお136億ルーブル(2億1,100万米ドル)の赤字となった。2018年の結果はまだ分からない。
両組合はフォードの戦略、グローバルな傾向、ロシアの自動車産業を総合的に分析した結果、フセボロジスク工場の保護を最大の目標に掲げた。ロシアにおけるフォードの将来の再編成に関する意思決定プロセスに精通・関与しようと努めるとともに、連邦政府を含む国内外の同盟者にも支援を求めることにしている。行動実施と同時に強力なメディア・キャンペーンも展開する予定である。
ゲオルク・ロイテルト・インダストリオール自動車担当部長は次のように述べた。「生産的な会合だった。これで今後の活動の方向性が明確になった。私たちにとって肝心なのは、ロシアにおけるフォード労働者の未来をめぐる議論の全レベルで組合を関与させることだ。さらに、この過程でフォード労働者への全面的な連帯支援を行う」