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第91号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2019年5月31日)

インダストリオール執行委員会、労働者の権利を促進

2019-05-29

5月21~22日にブリュッセルで開かれたインダストリオール執行委員会の主要なテーマは、グローバルな連帯だった。労働者の権利が攻撃される中、労働組合は組織化して力を強化している。

「1人に対する攻撃は全員に対する攻撃だ」とイェルク・ホフマン・インダストリオール会長は開会の辞で述べた。
「できるだけ多くの人々がグローバルな連帯の利益を得るようにする必要がある。グローバルな連帯は、グローバル資本に対して効果を発揮し得ることが分かっている」

組合幹部たちは2日間の会合で、ブラジルやアルジェリア、あるいはシントラカルボンのイゴール・ディアスが殺害の脅迫を受けているコロンビアのように、体制側が敵対者や市民、組合を攻撃している世界にあって、前途に横たわる課題へのグローバルな対応について議論した。

代議員はカナダのUSWメタロスの証言を聞いた。ケベック州トロアリビエールで同労組の組合員1,000人が、アルコアが交渉を拒否したあと17カ月近く同社工場でロックアウトされている

米テネシー州チャタヌーガのフォルクスワーゲン労働者は今なお組合加入権を与えられておらず、これを受けてインダストリオールは初めてグローバル枠組み協定(GFA)を停止した。

グローバル資本への対抗は、労働者の権利促進における戦略目標であり鍵である。インダストリオールと多国籍企業が締結した46本のGFAは、グローバル・レベルで労使関係を発展させる重要な手段である。例えばソルベイとのGFAが、インドの同社事業でボーナスに関する問題を解決した経緯を見れば分かる。

現在、仕事の未来に関する協定をめぐって、ある大手多国籍自動車会社との交渉が続いている。これは仕事の世界における非常に大きな転換に対応し、公正な移行を議題に盛り込むチャンスである。

ILO仕事の未来世界委員会は、前例のない変革期にあって、すべての人のためにより良い仕事の未来を達成する方法を調べている。参加者は経験を共有し、すべての国々の技術進歩レベルが同じというわけではないため、グローバル・レベルの労働運動戦略の必要性について議論した。

執行委員会は経験を交換することの必要性を認識し、活動の継続を承認するとともに、次の意向を表明した。

  • 加盟組織にILO報告書のフォローアップを奨励
  • 多国間機関に働きかけ、現場のインダストリオール組合員のために行動や決定に影響を与えることを約束
  • インダストリー4.0をめぐる転換を扱う企業に、契約に基づく約束を要求することを約束
  • 地域・国家レベル会合や部門別会議、ネットワーク会議で、意識向上と能力強化に取り組み続けることを約束

労働者のための実施に焦点を合わせたインダストリオールの「公正な移行への労働組合ガイド」が、議論の基礎となった。その結果、情報を交換して公正な移行に関する政策立案への期待に応え、労働者が産業の未来に関して発言権を持てるようにすることを約束した。

組合構築は、組織化を促進して組合の力を強化しようとするインダストリオールの努力の不可欠な要素である。2018年には768回の能力強化活動が行われ、実に2万3,000人が参加した。

  • 組合構築プロジェクトは、フィリピンの出産休暇延長のような画期的勝利を達成した。
  • ケニアでは、135の安全衛生委員会が設置されており、600を超える工場で労働者を訓練した。
  • 香港条約の批准拡大に関する活動が進んでおり、最近トルコが加盟した。現在、調印国は9カ国である。

執行委員会は6組合の新規加盟を承認し、新規組合員が22万4,000人増加、戦闘力を高めるとともに、私たちが団結によってさらに強くなっていることを証明した。

インダストリオール女性委員会は今年11月に女性大会を計画している。執行委員会は、ジェンダーに基づく暴力に関するILO条約への支持を改めて表明した。インダストリオールは他のグローバル・ユニオンとともに、この条約を求めて闘っている。

これまでに100を超える加盟組合が、職場における女性に対する暴力をなくすためのインダストリオールの誓約を採択した。このキャンペーンは今も続いている。

2020年10月にケープタウンで開かれる第3回インダストリオール大会の2つの作業部会が、世界中から組合代議員を集めるための準備に着手している。加盟組合による関与は、インダストリオールのアクション・プランと優先課題、組織機構に関する提案にとって重要になる。

インダストリオール執行委員会は、いくつかの連帯決議を採択した。

ブラジルの労働組合運動への支持

インダストリオールは、労働法や社会権・労働組合権の弱体化に直面しているブラジルのナショナルセンターが6月14日に指示したゼネストを支持する。

韓国における現代重工業による大宇造船海洋の買収に関する決議

インダストリオールは、この合併をめぐる交渉の透明性の不足に関して懸念している。公正貿易と競争の制限は、造船業サプライチェーンの労働者と組合にとって大きな脅威である。

韓国政府に退行的な労働法修正の中止とILO中核的条約の批准を要求

これらは労働者の基本的人権であり、使用者の取引材料ではない。インダストリオールは韓国政府に対し、コミットメントを示す意思の表明を求める。

インダストリオール執行委員会のすべての写真をフリッカーで閲覧可能

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