ケニアの組合、いすゞイーストアフリカと労働協約を締結
2019-05-17
いすゞイーストアフリカとの労働協約締結は、組合と使用者が融和的に労使関係に取り組めば賃金・労働条件を改善できることを示している。
インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織のケニア金属合同労組(AUKM)は5月8日、5カ月の交渉を経て協約を締結した。この協約は、いすゞイーストアフリカとAUKMとの長期に及ぶ友好関係をさらに強化し、組合と自動車会社との円満な関係の構築に貢献する。
いすゞイーストアフリカは228人の労働者を雇用しており、うち27人が契約労働者で、女性はわずか13人である――AUKMはこの問題に関するキャンペーンを展開、より多くの女性の雇用を奨励し、女性労働者を支援する環境を作り出している。
この協約によって賃金が8~9.7%上がり、5万1,560~8万5,329ケニア・シリング(517~855米ドル)になる。この引き上げの結果、同様の仕事に従事する異なる等級の労働者の賃金格差が埋まり、不平等がなくなる。通勤手当が8%、住宅手当が10%上がる。増額された給付として、そのほかにシフト手当が挙げられる。同社には、使用者が労働者に支払う賃金の20%の社会保障給付金もある。
ローズ・オマモAUKM書記長が次のように述べた。
「これは両当事者がこれまでに取り決めた中で特に好ましい労働協約であり、私たちが長い時間をかけて築き上げた友好と信頼に基づいている。労働協約は強力な労働組合の根幹だ。だから協約を締結すると喜びを感じる」
インダストリオール・サハラ以南アフリカ地域事務所のポール・フランス・ヌデソミン所長が述べた。
「労働条件の改善は労働者とその家族の暮らしを改善するので、この労働協約の締結は称賛すべき成果だ。給付の改善は、私たちが自動車部門に支払わせようと運動している生活賃金につながる」
いすゞイーストアフリカ(旧ゼネラル・モーターズ・イーストアフリカ)は小型商用車を製造している。ケニア政府は現地生産を誘致するために、また工業化努力の一環として、自動車コンポーネントの輸入に関税免除を導入している。政府は現地生産奨励策として、政府購入にあたって現地生産車を最優先する措置も実施している。