アジア太平洋のインダストリオール加盟組織、より公正な貿易を求めて結集
2019-08-29
アジア太平洋地域のインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織は8月30日に行動デーを開催し、現在密室で交渉されている新世代の貿易協定が労働者と社会に及ぼす影響への懸念を表明する。
労働組合は、自由貿易協定は万人に利益を与えるべきだと主張し、交渉にあたって組合と協議することを要求している。この行動は、8月29~30日に東京で開催されるL20(レイバー20)、すなわちG20諸国の労働組合指導者の会合に合わせて実施される。
アジア太平洋地域における自由化の推進を要求する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)をはじめ、新世代の包括的な自由貿易協定は、ただ関税を引き下げるだけでなく、国民経済のほとんどすべての側面に影響を及ぼす。これらの協定は、自国の開発ニーズに応じて政策手段を利用する政府の能力に深刻な影響を与え、多くの点で企業に有利な貿易政策を代表しており、労働者の権利に悪影響を与えかねない。
16カ国と世界人口の半分に関係のあるRCEP交渉は進行した段階にあり、年内にまとまる予定である。
アジア太平洋地域におけるインダストリオール加盟組織の行動を導くのは、インダストリオール執行委員会で採択された、政策フォーラム/プロセスへの労働組合としての働きかけのための10指針である。
1. 政府は2国間・地域貿易協定を追求するのではなく、多国間主義に立ち戻らなければならない。
2. 貿易協定は強制力のある労働権を盛り込み、ILO条約に言及しなければならない。
3. 貿易交渉は透明かつ包括的でなければならない。
4. 政府は支配権を維持し、産業政策を設定できなければならない。
5. 国家が企業の利益を制限する法律を可決した場合に企業が国家を訴えられるようにする、投資家対国家の紛争解決条項に反対しなければならない。
6. 政府はデジタル経済を規制し、デジタルインフラに関する政策立案に役割を果たすことができなければならない。
7. 知的財産権は、国連の持続可能な開発目標の達成に向けた政府の取り組みを妨げてはならない。貿易協定から医薬品に対する制限を削除しなければならない。
8. 各国は不公正貿易から国内産業を守るために、規則に基づく貿易救済措置を利用できなければならない。
9. 公的調達は今後も政府の産業政策手段としなければならない。
10. 公共サービスは貿易協定の法的拘束力のある約束から除外しなければならない。
インダストリオール加盟組織は、集会やデモ、ワークショップを開いて8月30日に自分たちの要求を強調する。
L20は国際労働組合総連合とOECDの主催で、G20労働雇用大臣会合(9月1~2日、松山市)に先立って開かれる。
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