フィリピン大統領、契約労働廃止法案に拒否権行使
2019-08-28
フィリピンの労働組合は、ドゥテルテ大統領が7月26日に短期雇用廃止法案に土壇場で拒否権を行使したことに遺憾の意を表した。
拒否権は行使しても、「あらゆる形態の虐待的な雇用慣行の根絶によって、身分保障を受ける労働者の権利を保護するという確約」は引き続き守る、と大統領は述べている。しかし組合側は警戒しており、あらゆる形態の短期雇用をなくすという選挙公約を守るために大統領が今後どのような措置を講じるか見守っている。
「この法案は、大統領が約束しておきながら拒否権を行使した契約労働の根絶に向けて、立法面から取り組む場を提供するだろう」とエバ・アルコス・インダストリオール執行委員は言う。「そして、大統領が拒否した理由は、この法案は資本家の利益稼得権を尊重していないため公正ではないということだ」
フィリピンのインダストリオール加盟組織は企業レベルで契約労働根絶キャンペーンを続けており、認識を高めるとともに、現在の虐待的な短期雇用慣行をなくす法律への支持を強化している。
「フィリピンの労働組合運動は、短期雇用を含めて、あらゆる形態の不安定雇用を排除するために困難な闘いに挑んでいる。不安定雇用は適正な賃金、給付、正当な労働条件、団結権・団体交渉に対する労働者の権利を弱めるので、根絶しなければならない慣行だ」とアニー・アドビエント・インダストリオール東南アジア地域事務所所長は言う。