ヴァルター・サンチェスからのメーデー声明
2020-05-01
新型肺炎ウイルス危機が原因で珍しいメーデーとなった――130年ではじめて、世界の労働者が街頭に繰り出さないのである。
ヴァルター・サンチェスのメーデー・メッセージ
同志の皆さん、こんにちは、インダストリオール・グローバルユニオン書記長のヴァルター・サンチェスです。
今日のメーデーにあたり、お祝いを申し上げたいと思います。130年ではじめて、世界の労働者は街頭でデモをすることができず、権利と要求を擁護できません。
私たちが経験している危機は予測可能なものでした。このようなパンデミックが起こり得ると予測したウイルス学者や科学者の意見に当局が耳を傾けていれば、この危機は緩和されていた可能性があります。
民営化や投資の削減によって長年にわたり公共サービスを破壊してきたネオリベラル制度・政策のせいで、まさに今、多くの犠牲者が出ているのです。
このウイルスで亡くなった20万人以上の犠牲者、この世界の富を築いていながら、このシステムに見捨てられたために命を落とした労働者に、敬意を表したいと思います。
私たちはこの機会を利用して世界中の組合と協力し、組合員の安全衛生保護に取り組んでいます。これは私たちの最優先課題です。仕事中に負傷する人がいてはなりません。必要不可欠でない仕事の場合は、誰も職場にいるべきではなく、対策を取り決めるべきです。エッセンシャル・ワーカーについては、すべての集団用・個人用保護具を導入し、組合員の安全衛生を保護するために対策を講じなければなりません。この危機にあたり、労働者が適切な健康保険を利用できるようにしなければなりません。
サプライチェーンの大企業は、労働者の雇用と所得の維持に取り組むべきです。これはできるだけ早く現下の危機から抜け出すための基本条件でしょう。労働者が所得を確保して消費し、再び経済を回していかなければなりません。
国際通貨基金や世界銀行のような国際機関に対し、銀行や大企業ではなく労働者を救済するための資源提供を要求しなければなりません。
全世界で社会的保護のために資金を利用できるようにすべきです。G20諸国は景気刺激策として5兆ドルを発表しました。この資金によって所得と雇用を保証し、健全な経済を築いて可能な限り早く回復できるようにしなければなりません。
この重大な局面において、労働者への私のメッセージはグローバルな連帯です。物理的に離れていても、私たちはお互いに遠く離れているわけではありません。連帯して団結すべきです。
闘いは続きます。
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