グローバル・ユニオン声明:LGBTIの権利は組合の問題
2020-05-18
5月17日の国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアの日(IDAHOBIT)に、全世界で2億人以上の労働者を代表する独立労働組合組織のグループ、グローバル・ユニオン評議会は、全労働者の尊重・尊厳の構築へのコミットメントを再確認した。すべての労働者には性的指向、性同一性、性的特徴に関係なく、差別や暴力を受けずに働く権利がある、と私たちは考える。
世界保健機関は30年前の今日、疾病及び関連保健問題の国際統計分類から精神障害としての同性愛を削除した。その歴史的な日から、LGBTIコミュニティーは、法律・政策や多様性を賛美する活動を通して、性的指向や性表現に基づく嫌がらせや差別の根絶に取り組んできた。私たちは労働組合ならびに国際社会の一員として、職場における包括性・多様性の促進に重要な役割を果たしており、今後もLGBTIの保護に注力する。
しかし、数々の業績にもかかわらず、ホモフォビアやトランスフォビアは今なお存在する。LGBTI労働者は自らの性的指向や性同一性、性表現が原因で、労働面の格差や差別に苦しんでいる。これは所得格差から職場での嫌がらせ、職場における不当な扱いから求人応募時の差別まで多岐にわたる。
現在私たちが経験しているような危機の際には、この状況が悪化する。医療サービスの利用を妨げる障害から汚名を着せる行為、ネットいじめやヘイトスピーチの高まりから家庭内暴力まで、LGBTI労働者は先例のない状況に直面しており、精神的・個人的健康を蝕まれるリスクが高まっている。
COVID-19パンデミックはLGBTI労働者の生活に影響を与えている。というのも、LGBTI労働者は小売や接客、観光など、パンデミックの影響を最も受ける産業・部門で不釣合いに多く働いているからである。これによって経済的苦難と失業が悪化し、健康と福祉に影響があるだろう。
私たちは今日、LGBTI労働者のために、そして人権である彼らの権利のために決起する。差別や嫌がらせのない職場を求めて闘い続け、彼らを保護して彼らの問題とニーズを提起するために結集する。
これを達成するために、LGBTIの権利に関するCGU作業部会を設置した。LGBTI連帯憲章を採択するとともに、引き続き加盟組合と協力しながらLGBTIの組織機構や方針を改善し、より強力でより包括的なグローバル労働組合運動を構築する。
不寛容や差別が見られる場合は抵抗しよう。傘下組合がもっとLGBTIを受け入れるようにするために努力を続けよう。1日だけの行動デーにとどまらず、毎日、組織的な男女不平等や所得不平等、人種的不平等に取り組もう。
グローバル・ユニオンは、すべての労働者の権利を求める闘いに全力を挙げており、世界中の加盟組織に対し、職場における暴力と差別をなくすためのキャンペーンを支援するよう求める。