インド諸州が労働法を停止し、労働時間を延長
2020-05-15
インドではいくつかの州がコロナウイルスを口実に労働条件を攻撃している。多くの州が1日の労働時間を12時間に増やし、労働法を凍結したり適用を免除したりしている州もある。
グジャラート、ウッタルプラデシュ、マディヤプラデシュ、ヒマチャルプラデシュをはじめとする州政府は、労働時間を1日12時間、週72時間に増やした。ウッタルプラデシュ州政府は5月6日に開催された閣議で、労働組合、労使紛争および契約労働者に関する労働法38本中35本を一時停止した。同州の全施設は3年間、すべての労働法の適用を免除される。
抜本的な変革を実行した州政府は、中央政府の与党でもある右翼のインド人民党(BJP)に支配されている。立法議会や議会が閉会中の場合は、行政命令によって労働法に攻撃的な変更が加えられた。これらの変更は労働における基本的原則および権利を損ない、数十年に及ぶ労働組合の闘いを通して勝ち取ったディーセント・ワークを台無しにする。
グジャラート州政府は、新しい産業施設を1,200日間にわたって労働法・労働基準の適用対象外とした。新施設には3つの法律(最低賃金法、産業安全規則、従業員報酬法)しか適用されない。
マディヤプラデシュ州は、工場法、労使関係法、労働争議法、契約労働法など、さまざまな労働法に基づく法的義務を免除している。同州政府は、行政命令での修正によって免除を1,000日間延長することを意図している。
繊維、皮革、セメント、鉄鋼、電気製品、電力、公共自動車輸送、エンジニアリング(自動車部門を含む)など11の産業区分は、マディヤプラデシュ州労使関係法の適用を無期限で免除される。労働者数50人未満の企業では検査を実施せず、抜き打ち検査は行わない。
ヒマチャルプラデシュ、ラージャスターン、トリプラ、パンジャブ各州も労働時間を延長し、事業所を労働法の適用対象外とした。
5月1日の労働大臣との会談で、中央労働組合代表は政府にいくつかの要求を出した。
- 労働時間を増やさないこと。
- 労働法の厳格な実施を維持すること。
- ロックダウン中に失業した労働者に財政援助を行うこと。
- 移民労働者を支援すること。
政府は組合の要求にまったく対応しなかった。
労働大臣は5月6日に使用者と会談した。使用者側の要求は、労働争議法を緩和してロックダウン期間をレイオフとみなすこと、最低賃金やボーナス、法定賦課金のような規定を除いて労働法を向こう2〜3年停止すること、労働時間を1日12時間に増やすことである。
ヴァルター・サンチェス・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は次のように述べた。
「労働時間延長と労働法凍結を狙うインド諸州政府の試みを強く非難する。労働者がCOVID-19との戦いの最前線に立っていることを忘れないようにしよう」
「中央政府は、国際的に確立された人権と国際労働基準に反する過酷な労働法変更を許してはならない。各州政府は労働者の利益に反する労働法変更を即時撤回すべきだ。インダストリオール・グローバルユニオンは、労働者の権利を擁護するためにインドの労働組合運動と連帯する」
中央労働組合と各連合・団体の共同プラットフォームは、労働法の変更を激しく非難した。組合側は間もなく全国的な行動を起こす計画を立てている。