新たな抵抗の活路
2020-05-15
最良の状況にあっても、スト決行は困難なことがある。地元が竜巻とCOVID-19に直撃されたあとはなおさらである。しかし、もろもろの障害にもかかわらず、UAW第1407支部の組合員は4月にテネシー州クックビルのカミンズ・フィルトレーションで団結し、公正な協約を求めて闘った。
毎週ストを実行する中で、組合員を保護するための措置を実施。全員の安全を確保するために、ピケラインの組合員数を制限し、スト参加時間を短縮し、社会距離戦略や手袋、手指消毒剤その他の対策を講じた。
批准会合や投票を開催できないという問題があり、3つのエリアに分けてドライブスルー方式を採用する革新的なアイデアを練り上げた。最初のエリアで批准関係書類一式を受け取ってから、質問エリアに移動し、最後にドライブスルー投票エリアで投票する。
質問があれば、組合員は車の窓から手を上げ、交渉委員会メンバーがその車まで行って回答する。
UAWはウェブサイトに掲載された声明でこう述べている。
「この組合員たちは第8地域と国際UAWから支援を受けて団結し、労働者が会社側の要求を何でも甘受するわけではないことを知らしめることができた」
ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長はUAW第1407支部を祝福し、今回のパンデミック拡大下で、組合は組合員のために闘って権利を守る革新的な方法を見つけていると言う。
ブラジルでは多くの組合が、労働者の生活と権利を守る代替案を規定する労働協約を取り決めている。ほとんどの協約がバーチャル集会でまとめられ、組合員がオンラインで討議・投票できるようにし、参加と民主主義、社会的隔離を保証している。
全国レベルの金属労連CNM-CUT傘下のSindicatos dos metalurgicos do ABC(SMABC)が先ごろ実施したバーチャル集会で、組合員はサンベルナルドのメルセデス・ベンツとの協約に賛成票を投じた。
この協約に基づき、労働者は2カ月にわたって賃金の80〜100%を支給され、12月31日まで労働者8,400人全員の雇用が確保される。
Sindicato do metalurgicos do Soracaba(同じくCNM/CUT傘下)は何度もバーチャル集会を開き、ボッシュ、トヨタ、エマソン、シェフラーのような企業で、雇用の安定に加えて賃金・給付も保証する労働協約を承認した。例えばシェフラーの労働者は、90日間の労働時間短縮と賃金カット、60日間の契約停止に同意した。どちらの措置でも、労働者は11月30日まで雇用の安定を確保した。