インドのボカロ鉄鋼工場で死者1人、負傷者7人
2020-05-26
ボカロ鉄鋼工場で2週間に4回の事故が発生し、インドの主要公共部門鉄鋼メーカー、スチール・オーソリティー・オブ・インディア(SAIL)のずさんな安全対策が明るみに出た。
5月6日、運輸部門で働く機関車運転手が、激しい嵐で壊れた2万5,000kVの電線に接触。運転手は高電圧ショックで深部熱傷を負い、5月16日に病院で亡くなった。
わずか数日後の5月11日には、変圧器の設置中に窒素ガスが漏れ、総括管理者と2人の労働者が意識不明に陥った。窒素ガスは設置前に開放環境下で放出されているはずだった。組合筋によると、この総括管理者は怠慢で、過去にも事故に巻き込まれたことがある。負傷者たちは病院に急送され、現在は完全に回復している。
5月16日にはシバ・エレクトリカルの契約労働者2人が、電流の通じている電線を扱っていた際に火災で火傷を負った。安全手順によると、電気接続を切断しておかなければならなかった。2人の犠牲者は直ちに病院に運ばれた。
翌日にも、ボカロ鉄鋼工場内にあるSAIL子会社、フェロスクラップ・ニガム・リミテッドで火災が発生。契約労働者2人が自動車クレーンのディーゼルタンクを溶接中に火傷を負った。報告によると、2人は30%の火傷を負ったが、危険な状態からは脱したという。
インダストリオール執行委員のサンジャイ・バダブカールSMEFI書記長は言う。
「重要な場所で未熟な契約労働者を使うことが、鉄鋼業の事故を招いている。鉄鋼省とSAILに対し、もっと多くの常用労働者を採用し、安全訓練を拡充し、さらなる事故を避けるために安全対策を強化するよう求める」
マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール機械エンジニアリング・素材金属担当部長は言う。
「このような事故はあらずもがなのもので、これは適切な安全手順に従うかどうかの問題だ。SAIL経営陣はこれらの事故から学び、不安定雇用をなくし、安全計画の立案・実施に労働組合代表を関与させなければならない。安全に関して妥協してはならない」