インドネシアの組合、一括法案に反対
2020-08-12
インドネシアの組合は、議会休会中に新しい雇用創出法案が急いで可決され、労働者の権利が損なわれることを懸念している。
インダストリオール・グローバルユニオンはインドネシアのジョコ・ウィドド大統領に手紙を書き、この法律修正案が、既存の労働法で保護されているインドネシアの労働者の権利を侵害しないようにすることを求めた。
ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は7月29日付の書簡で、一括法案が労働の柔軟性をさらに高め、最低賃金や退職手当、健康保険、年金制度のような保護の弱体化を招くのではないかと重大な懸念を表明した。
書記長は次のように強調している。
「この法案は、インドネシア政府が批准済みの団結権および団体交渉権に関するILO第98号条約、同一報酬に関する第100号条約、三者協議に関する第144号条約に明白に違反している」
「進行中の政労使協議は、ソーシャル・パートナー全員が対等な立場で誠実に行わなければならない。現行労働法と中核的国際労働基準で保障される権利と利益を侵害してはならない」
この論争の的となっている法案は、インドネシアの労働運動による組織化の焦点である。インドネシア労働組合総連合(KSPI)は8月3日、数千人の労働者を動員し、インドネシア議会と経済担当調整大臣府で一括法案に抗議した。
サイド・イクバルKSPI会長は言う。
「議会休会中に一括法案がこっそり審議されるという情報を受け取った。この法案が廃案になるまで抗議を組織し続ける。8月25日にインドネシア全域で同時に大集会を開く」
「COVID-19パンデミック発生以来、10万人を超える労働者がレイオフされ、9万6,000人が一時帰休になっている。政府は雇用危機の緩和と一括法案をめぐる審議の中止にエネルギーを注ぎ込むべきだ」
インドネシア福祉労働組合総連合(KSBSI)の会長で、現在、政府が設置した技術委員会のメンバーを務めているエリー・ロジータ・シラバンは言う。
「技術委員会を、一括法案を断固拒否するという労働組合の見解を示す場として利用する。この法案は賃金、退職手当、労働時間、社会保障、標準的雇用といった労働者の権利を脅かすからだ」
「KSBSIは、いかなる形態の権利剥奪も決して受け入れない。投資に反対するわけでもない。労働組合は主要利害関係者であり、労働法案の起草にあたって意見を聞かれ、情報を提供する権利がある」