アジア太平洋の組合、カンボジア政府にロン・チュン釈放を要求
2020-08-10
インダストリオール・グローバルユニオンをはじめとするグローバル・ユニオン・フェデレーションのアジア太平洋事務所は、カンボジア政府に対し、カンボジア労働組合連合(CCU)のロン・チュン会長を直ちに釈放し、同氏に対する告訴をすべて取り下げるよう要求している。
グローバル・ユニオンは2020年8月4日付の共同プレスリリースで、ロン・チュンが7月31日午後9時30分にプノンペンで警察によって逮捕されたことを非難した。当局は、同氏がカンボジア・ベトナム国境問題について発言したあと、フェイクニュースを広め、「重罪を犯したり、社会不安を引き起こしたりするよう扇動」したという理由で起訴した。
伝えられるところよるとロン・チュンは、カンボジア政府がトボンクムン州に境界標を設置することによって、ベトナム当局による農地の不当な収奪を見て見ぬふりをしたと批判した。この不正行為のせいで、農民は土地と生計を失った。
グローバル・ユニオンはカンボジア政府に対し、労働組合指導者の表現の自由と基本的人権を尊重するとともに、カンボジア政府が批准したILO第87号条約と国際人権条約に定める原則を支持するよう要請した。
CCUとインダストリオールに加盟しているカンボジア労働組合連盟(CATU)のヤン・ソプホーン会長は言う。
「ロン・チュンの逮捕は、カンボジア市民の表現の自由を保障するカンボジア憲法に違反している。何人も政治・社会・文化問題に関して正当な発言をしたというだけで処罰されてはならない」
「ロン・チュンは労働権・人権擁護活動家として、不公平に苦しむ労働者や教員、公務員、警察官、兵士の権利と利益を勇敢に擁護してきた。同氏の言論の自由の抑圧は明らかに人権侵害だ」
アニー・アドビエント・インダストリオール東南アジア地域事務所所長は言う。
「労働組合指導者を迫害するためにカンボジアの国内法のフェイクニュース条項を発動するというパターンが見られ、私たちは深刻に懸念している。数カ月前には、別の現地組合指導者ソイ・スロスが、フェイスブックで会社を批判したというだけで裁判もなしに2カ月拘留された。
「ロン・チュンのような尊敬を集めている組合指導者に対して、『扇動』を理由にこのような不合理な捜査を行うべきではない。ロン・チュンを即時釈放せよ!」