機械エンジニアリングでグリーンな未来を構築
2020-11-07
<JCM記事要約>
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機械エンジニアリング部門のグリーンテクノロジーに関する第1回オンライン・インダストリオール・グローバルユニオン・セミナーに、すべての大陸から60人を超える参加者が出席した。
オーストリアの加盟組織PRO-GE会長のライナー・ウィンマー共同部会長が開会の辞を述べ、パンデミックがもたらした荒廃に言及、このウイルスに公衆衛生危機として対処するようになったあともなお財政的・社会的影響は続くと述べた。
「この産業の各部門、特に内燃機関関連部門が厳しい圧力を受けるだろう。だが、グリーンな世界の構築には成長の可能性がある。グリーンな雇用が良質な雇用となるようにするために貢献する必要がある」
ドイツIGメタル執行委員のウォルフガング・レムが、世界経済を転換する必要性が明らかにあると述べた。組合は、この変化を社会的に許容できるものとし、社会的・生態学的・民主的原則に従って進めるようにする必要がある。
ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長が、このパンデミックが、すでに進行中だったプロセスをいかに劇的に速めたかを強調した。世界は混乱に陥り、多くの国々で労働者の権利が激しく攻撃された。
マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール部門担当部長が、国連持続可能な開発目標は工学的に解決する必要があると説明した。これらの目標は、豊富なクリーンエネルギーときれいな水、持続可能な都市、革新的な都市、持続可能な消費等々を実現した世界への道を開く。これを達成するために、世界はより良い技術を必要とする。
グリーン化産業とデジタル化に関連して労働環境が大規模に変化する傾向は、しばらく前から明らかに見られたが、COVID-19パンデミックは2つの方法、すなわち、変化のペースを加速させることと、各国政府を再び経済介入に向かわせることによって状況を根本的に変えた、とハートウィッチは強調した。現在の労働者、特にブルーカラー労働者は再訓練の機会を必要としており、労働組合運動は、ホワイトカラー中心の新しい高度熟練労働力の勧誘・組織化に備える必要がある。
インダストリオール・ヨーロッパのベンジャミン・デニスが欧州グリーンディール案について説明し、これを産業戦略に反映させなければならないと述べた。インダストリオール女性委員を務めるPRO-GEのクラウディ・フリーベンが、このプロセスはジェンダーニュートラルではないと説明した。機械エンジニアリングは男性が優位を占める部門であり、科学・技術・工学・数学を学ぶ女性が不足しているため、手を打たなければ、この部門は引き続き男性に支配されることになる。
ウィンマーは労働組合戦略をめぐる討議で、共同部会長とインダストリオール事務所が作成したグリーンテック宣言を紹介した。この宣言は、今後数年間に組合戦略の指針とするために作られた意欲的な文書である。課題は、その考えを具体的行動に移すことである。
ハートウィッチが閉会の辞を述べた。
「これまでの活動は第一歩だ。グリーンテクノロジーについての討議は、ほんの少しの組合で大きく進んでいる。課題は、これらの組合から最良の洞察を得て、世界中で利用できるようにすることだ。労働組合をグリーンテクノロジーに備えさせるために地域活動を行う必要がある」