原子力労働者が協力
2020-11-13
<JCM記事要約>
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パンデミックが世界中で大混乱を引き起こしているものの、原子力部門はかなり安定している。しかし、この現状を受けて安全衛生が以前に増して重視されるようになっており、労働者・組合が関与しなければならない。それが、世界15カ国から35人の労働組合員が集まってオンライン会議を開き、エネルギー部門に対するCOVID-19の影響を討議した結果である。
インダストリオール・エネルギー部会の原子力担当副共同議長を務めるウクライナAtomprofspilka会長のバレリイ・マトフが、オープニングスピーチで次のように述べた。
「エネルギーはリアルタイムで生産することしかできず、私たちはパンデミック下で働いて電力を生産し続けている。職場で常にソーシャルディスタンスを保てるわけではなく、私たちは組合として、安全衛生の実施を確保しなければならない」
世界各地でCOVID-19が再び勢いを増しているため、参加者は職場の優れた慣行や組合が講じている具体的行動を交換した。ウクライナの組合は個人用医療保護具を購入し、日本の組合は組織内議員と協力して国別協議会で現状について意見を提起し、フランスの組合は組合員と連絡を保つようにしている。
「多くの国々の原子力政策が不確実であるにもかかわらず、この部門は安定している」とディアナ・ジュンケラ・キュリエルは言う。
「だが、バーチャルであろうとも引き続き会合を開き、互いに学び合って経験を交換する必要がある」
この会合では原子力産業のグローバル・サプライチェーンに取り組んだ。グレン・ムプファン鉱業担当部長とマティアス・ハートウィッチ機械エンジニアリング担当部長が参加し、各部門の役割やバリューチェーンでの交流状況を紹介した。
近い将来、このネットワークはウラン採掘部門と機械エンジニアリング部門の組合にも参加を促し、サプライチェーンで原子力労働者と同じ条件を獲得できるよう努める予定である。
ブライアン・コーラー・インダストリオール安全衛生担当部長が、職場におけるCOVID-19の影響と労働者の安全衛生権の重要性について語った。「安全衛生は、私たち労働者に対して実施するのではなく、労働者とともに実施しなければならない」
ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は閉会の辞で、労働者にとって公正な制度にすることの必要性を強調した。
「安全衛生は組合活動にとって重要であり、解決策は自動的に生まれるものではない。ともに闘わなければならない。インダストリオールは今後とも、労働者が経験を交換したり、政府間組織に加わったりするための土台を形成していく」
インダストリオールは労働者・組合を支援するために、労使のための助言や、ロックダウンが緩和される中での安全な職場復帰に関するガイドなどを発行している。
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