東南アジアの加盟組織、ILO第190号条約の批准に向けた行動を要請
2020-11-28
<JCM記事要約>
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東南アジアのインダストリオール加盟組織は、労働協約を取り決め、すべての国で第190号条約の批准を求めて運動し、家庭内暴力に対して行動を起こし、女性に対する暴力撤廃プログラムを開始し、条約批准を提唱するための組織機構を開発すると誓った。
女性に対する暴力撤廃の国際デーおよび16日間に及ぶジェンダーに基づく暴力に対する行動の開始にあたり、東南アジアのインダストリオール加盟組織の男女組合員120人が、仕事の世界における暴力とハラスメントに関するILO第190号条約の批准を促進するための行動要請への強い支持を表明した。
第190号条約の批准に関する第3回インダストリオール東南アジア対話が11月25日にZoomで開かれ、オーストラリア、カンボジア、日本、インドネシア、韓国、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナムから参加者が出席、職場における暴力とハラスメント撤廃キャンペーンを中心に労働者を組織化することを約束した。
インドネシアでは、インダストリオール・インドネシア女性委員会が、調査対象協約186本の77%にセクシャル・ハラスメント条項がないことを確認したあと、女性組合活動家が労働協約にジェンダー平等を盛り込むことに精力を傾けている。
インダストリオール・インドネシア女性委員会のアイラ・ライラ・ブディマン書記は言う。
「私たちはインドネシアのすべての加盟組織が、職場における暴力とハラスメントに関する条項を労働協約に挿入することを要求している。これを達成できると信じている。2014年以降、何とか14週間の出産休暇条項を33本の労働協約に盛り込むことができた」
フィリピンの女性組合活動家は、ジェンダー主流化政策を求めて積極的に運動している。集中的なロビー活動を受けて、フィリピン政府は2019年、105日の有給出産休暇を定める拡大出産休暇法を制定した。
インダストリオール・グローバル女性委員会共同議長を務めるエバ・アルコス合同労組全国副会長は言う。
「フィリピンのインダストリオール加盟組織は、労働雇用省をはじめとする利害関係者との対話を始めており、第190号条約の議題を提案するためにフィリピン上院の女性の権利擁護者と会談した。批准を求めるキャンペーンは続く」
アニー・アドビエント・インダストリオール東南アジア地域事務所所長は言う。
「この条約は、あらゆる形態の職場における暴力とハラスメントの撤廃を要求するための勢いを組合に与える。インダストリオールは今後とも、加盟組織が条約を利用して男女労働者の生活を変革できるよう支援していく」