広報ニュース

第117号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2020年12月15日)

インドで2億5000万人超の労働者が全国ストに参加

2020-11-26

<JCM記事要約>

  • インドの労働者と農民によるゼネストが11月26日に開催され、2憶5000万人を超える労働者が参加しインドを封鎖状態にした。
  • 組合指導者は、労働における基本的原則および権利を十分に保護していないインドの労働法、数百万人を窮地に陥らせたCOVID-19への誤った対処と国民の利益に反する経済政策を非難した。
  • インダストリオールは、政府は労働組合の意見を聞き、問題解決に向けて真の対話を行うべきだと主張し、11月19日にオンラインにて執行委員会を開催しゼネストへの全面的な支援と連帯を表明した。

 

弾圧にもかかわらず、労働者と農民による共同ゼネストがインドを封鎖状態に陥れた。11月26日のストライキに2億5000万人を超える労働者が参加した。

インドの労働組合は、過去最大級の全国的なゼネストで合同デモを行い、全国で労働者と農民の指導者が逮捕されたことを非難した。インドの労働組合指導者は政府に対し、労働者の利益に反する労働法と農民の利益に反する農場法の廃止を明確に要求、全国で産業・農業労働者と農民が大規模に結集したため、農村部でも都市部でも日常生活が混乱した。

全国で、官民両部門の従業員がストに参加した。250団体を超える農民組織の統一戦線である全インド・キサン・サンガーシャ調整委員会(AIKSCC)は、この労働組合のストに対する支援を広げ、組合は11月26〜27日に農民の「Chalo Delhi」(デリーに行け)動員を支援した。農民は最近の反農家的な法律に抗議している。この法律は、政府による農作物の最低保障価格を撤回するもので、農家の所得と生計に深刻な影響を及ぼす。

労働組合指導者は、政府がCOVID-19を口実に用いて幅広い弾圧を実施していることに懸念を表明した。警察は、11月26〜27日に首都で平和的にデモをするためにデリーに向かっていた数十万人の労働者と農民を阻止しようと、暴力的手段を利用した。

インダストリオール執行委員のサンジャイ・バダブカールSMEFI書記長はこう述べた。

「国中で厳しい治安活動が実施されているにもかかわらず、労働者は熱意をもってストに参加した。社会保障、賃金、労使関係に関する新しい法律など、最近の労働法変更は、労働における基本的原則および権利を十分に保護していないため、取り消すべきだ

これらの法律は多くの面で、国際人権・労働権フォーラムにおけるインドの約束に反する。COVID-19への誤った対処と国民の利益に反する経済政策は、数百万人を窮状に陥れた。このストと農民との共同行動は政府に強いメッセージを送り、労働者と人民を重視した政策を要求する」

ヴァルター・サンチェス・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は次のように述べた。

「民主的な異議の表明を阻止するために暴力的な手段が用いられたことを非難する。インダストリオールはインドの労働組合運動と連帯し、反人民的政策に反対して農民・農業労働者との幅広い同盟を結成しようとする努力を称賛する」

特に、全世界、とりわけインドで猛威を振るうパンデミックのために失業率がさらに上昇している現在の状況下では、インドの労働組合の要求は正当なものだ。政府は労働組合の意見を聞き、問題解決に向けて真の対話を行うべきだ

インダストリオール執行委員会は11月19日木曜日にオンラインで会合を開き、ゼネストへの全面的な支援と連帯を表明した。

労働組合の合同要求憲章:

  1. 課税最低所得水準を下回るすべての農家に7500ルピー(101米ドル)の現金による直接移転支払いを行うこと。
  2. 困窮者全員に毎月1人当たり10kgの食料を無料で配給すること。
  3. マハトマ・ガンジー全国農村雇用保障法を拡大し、農村地帯で賃金増額による雇用の提供期間を現在の100日から200日に延長し、このプログラムを都市部にも拡大すること。
  4. 反労働者的な労働法変更と反農家的な法律を撤回すること。
  5. 金融部門の企業をはじめ、公営企業の民営化を中止すること。鉄道、法令に基づく製造、港湾などの分野で国営製造・サービス事業の企業化をやめること。
  6. 政府・公共部門従業員の早期退職を強制する過酷な回状を撤回すること。
  7. すべての人に年金を提供し、以前の年金制度を復活させ、EPS 95を改善すること。

この合同労働組合プラットフォームには、INTUC、AITUC、HMS、CITU、AIUTUC、TUCC、SEWA、AICCTU、LPF、UTUCといった中央労働組合が加わっている。                     

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        

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