フォックスコンが中国で組合選挙を計画
2013-02-07
大手電子機器メーカーのフォックスコンは、中国の工場で代表的労働組合の選挙実施に備えている。この措置は、同社における労働者の自殺と劣悪な労働条件・雇用関係に対する労働組合や人権擁護団体の厳しい批判を受けて講じられた。
『フィナンシャル・タイムズ』の最近の報告によると、フォックスコンは中国で初めて代表的組合の選挙の準備をしている。選挙は2013年7月までに実施され、経営側は介入せず、従業員代表が強化されると予想される。同社は、労働組合連合委員会の委員長1人と委員20人の無記名投票選挙の5年ごとの実施を目指している。
報告書は、フォックスコンがアメリカの公正労働協会(FLA)(http://www.fairlabor.org)の支援を受けて、代表選出方法について中国の労働者を訓練することも示唆している。FLAは2012年2月、フォックスコンの労働条件に関する独立調査を実施した。調査報告書は、問題の多い労働慣行を強調して改善措置を提案した。この報告書により、労働者の過半数が工場安全衛生委員会の存在や意思決定機関における労働者代表を知らないなど、数々の問題が明らかになった。以前は経営側が選挙にあたって監督者や管理者を候補者として推薦し、委員会は経営代表に支配されていた。 報告書によると、フォックスコンは中国の労働組合法に従って委員会などの組合機構への労働者参加を促進し、経営側の干渉なしで選挙を実施することに同意した。加えて、労働者全員に労働協約の写しを配布し、新規従業員にオリエンテーションで組合活動に関する情報を提供する。しかし、2012年3月にこの約束が表明され、改善措置が実施されたあともなお、暴動や不当労働行為が発生した。これだけ長い時間が経ったあとに、この約束がどのように実施されるか、プロセスの透明性がどの程度高まるか、組合幹部の何パーセントが同僚によって民主的に選出された労働者になるかは不明である。何より、代表的組合の有効性は、あらゆるレベルの選出代表への法的保護にも依存している。
香港の中國勞工通訊でスポークスマンを務めるジェフ・クロザールによると、組合はすべて中華全国総工会(ACFTU)に加盟しなければならず、ACFTUはフォックスコンの労働者代表が経営陣と交渉することを認めずに団体交渉の実施を選択するかもしれない(http://www.taipeitimes.com/News/biz/archives/2013/02/05/2003554242)。
労働組合活動家は過去の経験を踏まえてフォックスコンの組合選挙を歓迎しているが(http://www.industriall-union.org/apples-new-products-increase-pressure-on-foxconn-workers)、単に人目を引くための企業PR活動に終わらないことが期待される。