タイのエレクトロラックス労働者が解雇に抗議
2013-01-31
スウェーデン系多国籍家電メーカーのエレクトロラックスは、インダストリオール・グローバルユニオンとのグローバル枠組み協約(GFA)に定めるものも含めて、同社事業全体で最低労働権基準を守るという約束を無視し続けている。
インダストリオールは1月11日、タイ・ラヨーンのエレクトロラックス洗濯機工場で、労働者100人以上が監禁されたのち大量解雇された事件を報告した。その後、労働者は首相と閣僚の事務所が入っているバンコクの政府庁舎前で、2013年1月31日までピケを続けた。組合は復職を求めて強力なメディア・キャンペーンも実施している。
エレクトロラックスはライナ・インダストリオール書記長宛の書簡で不合理な主張を行い、紛争を労働者のせいにするとともに、同社が「従業員・組合との良好な関係の維持に熱心に取り組んでいる」と述べた。これはラヨーン洗濯機工場の状況とまったく対照的である。
エレクトロラックス労組は1月25日、インダストリオール加盟組織TEAMとともにバンコクのエレクトロラックス本社へ行き、労働者の復職を要求した。バンコクの経営陣と会談したが、経営側は「製品を販売しているだけで、ラヨーンの労働争議には関与していない」と主張した。
2月25、26日にスウェーデンの加盟組織IFメタルとエレクトロラックス取締役会の組合代表がラヨーンの製造現場を訪れ、GFA遵守状況監視委員会のメンバーである組合および現地経営陣と会談する予定だ。「経営側は正常な労使関係を回復したいと言っているが、その前に解雇された労働者・組合員全員を復職させなければならない」とIFメタルのエリック・アンデルソンは述べた。
2011年2月に組合が結成されて以来、現地経営陣は機会あるごとに労働者の中核的権利を無視している。エレクトロラックスは2012年、タイ政府の「2012年非組合職場カテゴリー最優良企業」賞にも応募し、受賞を果たした。工場の生産能力は年間100万台を超えている。エレクトロラックス労組のパイワン・メタ会長は1月31日にバンコクのデモで発言し、「エレクトロラックスは、スウェーデン国内の慣行と同様に、タイの労働者の労働組合権も尊重しなければならない」と述べた。インダストリオールも労働者に連帯メッセージを送った。ピケ参加者は2月1日にバンコクのスウェーデン大使館前でデモを行う。