エレクトロラックスはCOVID関連の抗議を理由に解雇された労働者に補償せよ
2020-12-09
<JCM記事要約>
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メキシコ・シウダードファレスのエレクトロラックス工場の労働者は今年前半、必要不可欠な仕事だけを許可する緊急命令が出され、従業員がCOVIDに感染し、個人用保護具がないにもかかわらず、経営陣が操業継続を主張した際、会社側を会話に引き入れようとした。それが失敗に終わると4月7日に抗議行動を開始、それに対して、このスウェーデンの多国籍企業は100人近くを解雇した。
COVID-19パンデミックが3月末にメキシコに波及し、従業員がウイルスに感染したあと、シウダードファレスのエレクトロラックス工場の労働者は経営陣に工場の閉鎖を求めた。ところが、生産は4月20日まで続き、その時までに16人の労働者が感染、2人がCOVIDで亡くなっていた。
経営側が工場閉鎖を拒否したことに抗議した労働者たちは、強制的に自発的解雇に同意させられた。合計99人が解雇された。何人かの労働者が自発的解雇に同意したのは、お金が必要だったからであり、メキシコでスウェーデンの多国籍企業を相手取って法的請求を行えば最大4年かかる可能性があることを知っていたからである。
エレクトロラックスは一連の出来事の外部調査を実施、その結果、同社が内部プロセスに従わなかったことが明らかになった。
「当社は、これらの出来事が不運な形でエスカレートしたことを認める。そこで当社は、元従業員と個人的に対話を開始し、解雇に関連するあらゆる紛争を完全かつ最終的に解決するために努力する。さらにエレクトロラックスは、現在の方針や慣例、訓練プログラムを見直し、極めて難しい状況下でも職場指令に従えるようにする」
スウェーデンのエレクトロラックス事業で労働者を代表しているインダストリオール加盟組織ユニオネンは、この調査とその結論を歓迎し、同社との真の対話を続けたいと考えている。
「解雇された労働者は正当な補償を受け、自ら選択する場合は代表される権利を与えられなければならない。エレクトロラックスは、現在の方針や慣例を見直すと発表した。これは心強いことであり、正しい方向への一歩だ。直接の対話と労働者への発言権の付与が極めて重要だ」
松崎寛インダストリオール電子担当部長は言う。
「エレクトロラックスがスウェーデンの組合およびインダストリオールと締結したグローバル枠組み協定は、世界中で労働者の権利を尊重するための枠組みを提供している。自らの権利を平和的に行使し、協定に定めるとおり職場で適切な予防対策を講じるよう経営陣に求めた労働者たちを、同社は尊重しなければならない」
「シウダードファレスの状況はまだ予断を許さず、エレクトロラックスは十分な保護と補償に対する労働者の権利を無視してはならない」
ユニオネンとインダストリオールは、引き続き状況を注意深く監視していく。