世界的製鉄会社POSCOは企業殺人で有罪、と労働組合
2021-01-07
<JCM記事要約>
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この世界的な製鉄会社で死亡事故の流れを断ち切るには、労働者が自由に団結し、安全システムに参加する権利を得なければならない、と韓国金属労組(KMWU)は言う。
11月と12月に韓国のPOSCO光陽製鉄所で事故が発生し、5人の労働者が死亡した。11月24日、溶鉱炉の近くで爆発が起こり、労働者3人が死亡。12月9日と23日にも事故があり、さらに2人のPOSCO労働者が亡くなっている。
最新の事故は同社の浦項工場と光陽工場で発生し、過去3年間で18件目である。POSCO労働者は窒息、爆発、火災、圧挫損傷、落下、過労で死亡している。工場が韓国労働部の検査を受けているにもかかわらず、事故が続いている。
韓国のインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織KMWUは、組合代表が安全構造に完全に参加できるようにならない限り、POSCOの職場の安全性は高まらないと考えている。ところがPOSCOは最近、組合つぶしを暴露したことを理由に3人の組合活動家を解雇し、国家労働委員会が不当解雇の裁定を下したあとも復職させなかった。
KMWUの主張によれば、POSCOで大規模な産業災害が起こっているのは、老朽施設・設備を改良せず、下請労働者を削減し、リスクを除去するのではなく社外に出すことを経営陣が決定したためである。
POSCOはKMWUによる事故現場への立ち入りを妨害し、組合の安全専門家が事故調査に参加することを許可しようとしない。同社は調査終了後も本当の事故原因を公表せず、労働者は同僚の命を奪ったのと同じリスクにさらされ続けている。
韓国はOECD諸国で最も労災死亡率が高く、毎年2400人の労働者が職場で亡くなっている。2018年、同社が標準操作手順に違反したために20代の若い労働者が発電所で死体となって発見されたあと、労働組合と市民社会は企業殺人法案を求めるキャンペーンを開始した。
市民10万人の署名が集まり、この法案は韓国国会に提出された。法案の狙いは、労働者の死亡を引き起こした使用者に重罰を科し、包括的な予防策を採用させることである。
この法案が成立すれば、チェ・ジョンウPOSCO CEOは真っ先に責任を負わされるだろう、とKMWUは考えている。
KMWUは、組合参加が保証された労働監督、労使合同対応システム、根本的原因に取り組む基本的な安全対策、老朽機器を改善するための処置、リスク外部化の根絶を要求している。
チョン・ヘウォンKMWU国際役員はこう述べた。
「民主的な組合が自由に機能できるようにすることは、製鉄所で信頼できる安全システムを確立するための前提条件だ。しかし会社側は、POSCOの職場の安全性を高めるために組合と協力するどころか、組合つぶしの計画を暴露したことを理由に3人の組合活動家を解雇した」
マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール素材金属担当部長が述べた。
「KMWUとともに、POSCOに予防可能な産業災害の頻発の説明責任を要求し、責任者の告発を要求している。回避可能な死亡事故で同僚が亡くなるのを傍観していることはできない。事故をなくさなければならない――今すぐに!」