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第119号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2021年1月15日)

変化する仕事の世界におけるホワイトカラー労働者

2020-12-23

<JCM記事要約>

  • COVID-19により、ホワイトカラー労働者も大きな影響を受けている。失業が増加した他、リモートワークへの移行も増加した。しかしリモートワークの増加と同時に、適切なIT資料の不足や労働者にとって劣悪な人間工学的環境といった問題も浮き彫りになった。
  • パンデミックは企業に働き方を再考させ、デジタル・プラットフォームの仲介によって地理的に分散している大量のオンライン労働者に仕事をアウトソーシングするクラウドワークをホワイトカラー労働者に増加させる一因になるかもしれない。クラウドワークは労働者にとっての利点があるものの、多くの場合、就業規則の対象とはならず、また不当な扱いを受けた場合に頼れる選択肢も限られている。
  • インダストリオールは、仕事の未来を調整・形成していくために、組合が革新的な行動を起こし、ホワイトカラー労働者のニーズや懸念に取り組む必要がある、と主張しているが、すでに労働組合として、クラウドワーカーやプラットフォームワーカーの権利を擁護し、いくつかの国々で労働条件改善策を講じ始めている。

 

COVID-19発生で働き方が変わっており、ホワイトカラー労働者は特に影響を受けている。ホワイトカラー労働者にとって、仕事の未来はすでに到来しており、組合は変化に対応しなければならない。

「産業の自動化が進むにつれて、ホワイトカラー労働者が増えていく。技術の変化に伴ってブルーカラー労働者とホワイトカラー労働者の違いが曖昧になっている。インダストリー4.0とテレワークやオンライン作業の増加を受けて、仕事と自由時間との区別が不明瞭になり、技能が急激に変化し、再調整を求める圧力が常にかかるようになるため、ホワイトカラーの仕事はますますストレスが多くなる恐れがある。

「組合は労働者全員のニーズを整理して満たし、新しい働き方を規制しなければならない」とアトレ・ホイエ・インダストリオール・グローバルユニオン書記次長は言う。

パンデミックのせいで、ホワイトカラー労働者の失業も増えている。インドでは、ホワイトカラーの雇用喪失が過去最大に達し、スウェーデンで、ユニオネンの報告によると小企業のコンサルタントや労働者の失業が増えている。CGC-CFEは、組合員の解雇の増加を報告している。これらの中小企業が景気後退に耐えるのは困難であるため、下請労働者はより大きな影響を受けている。来年は状況がさらに悪化するかもしれず、これらの労働者の雇用がどうなるかは分からない。

WEFによれば、2020年の初めにはリモートワークをする人の割合は5%に満たなかった。現在、高度熟練労働者の過半数がリモートで働いており、広範囲にわたるテレワークが常態化するかもしれない。この報告によると、使用者の84%が、リモートワークの大幅な拡大など、作業プロセスを急速にデジタル化することになっており、労働者の44%がリモートワークに移行する可能性がある。

パンデミック発生以降テレワークで働いている労働者を対象に使用者や労働組合が実施した調査によると、労働者は週に数日テレワークを続けることに乗り気であり、自主性と柔軟性を大きな理由に挙げている。

今年3月に大規模かつ急激にテレワークを確立した際、適切なIT資料の不足や労働者にとって劣悪な人間工学的環境といった問題が持ち上がったことは、適切な計画と規制の必要性を強調している。

ITUCのテレワーク法律ガイドは、取り組むべき新たな関心事をまとめている。例えば、人間工学的疲労、同僚からの孤立に伴う社会心理的安全衛生リスクの発生、使用者の電子監視能力の向上による労働者のプライバシーに関する問題、労働者(特に女性)の昇進の制限、家庭内暴力を招くリスク、仕事と家庭生活の区別の不明瞭化とそれに伴う(主に女性労働者の)ストレス増加、労働監督官の役割限定による労働法執行の難化などである。

組合はテレワークを規制するために緊急に新しい協定を交渉する必要がある。テレワークに関する新しい法律や協定が取り決められている。ILOは、パンデミック期間中およびそれ以降の在宅勤務に関する実務ガイドを発行した。英国ユナイトのような労働組合は、ガイドラインやモデル協定を策定している。

労働組合は、これらの新しい労働条件にも適応しなければならない。労働者がリモートで働いているとき、組合はどのように活動を実施するか。リモートワークを口実に、労働者の権利が尊重されていない国に雇用が移転されることのないようにするには、どうすればよいか。

現在の危機は新技術と相まって、企業に働き方を再考させており、ホワイトカラー労働者のクラウドワークを増加させる一因になるかもしれない。クラウドワークは2000年代初期に登場した。これはデジタル・プラットフォームの仲介によって、依頼人が潜在的労働者に求人広告を出すための技術インフラを提供し、地理的に分散している大量のオンライン労働者に仕事をアウトソーシングするものである。

このプラットフォームは、クライアントと労働者を引き合わせるだけでなく、契約や時間管理、監視、請求書作成、紛争解決も取り扱い、関係全体をリモートで実行できるようにする。職務は、複雑なコンピュータープログラミング、データ分析、グラフィックデザインから、比較的単純な事務的マイクロタスクまで多岐にわたる。

クラウドワークの規模に関するデータを入手することは難しいが、ILOによると、オンライン労働市場は2016年7月から2017年6月までに25.5%成長している。

大多数の使用者が高所得国にいるのに対し、労働者の大半は低・中所得国に住んでいる。オンライン労働需要の最大割合(41%)を占めているのは、アメリカに拠点を置く使用者である。

パンデミックで、デジタル労働者の可能性が明らかになった。企業は今や、従来の派遣会社を通して雇われる現場の契約労働者よりも、ウェブベースのプラットフォーム経由で雇われるリモートオンライン契約労働者を好むようになっているかもしれない。例えば、ITセットアップやデジタルツールのメンテナンスの場合、大企業には既存のITサービス・アウトソーシング・プロバイダーがいても、中小企業は、これらのニーズを満たすためにオンライン労働プラットフォームに頼ることがある。

労働者は、柔軟性・自主性の向上や副業からの追加収入を求めて、あるいは単に従来型の仕事を見つけることができなかったために、クラウドワークを利用する。クラウドワークに利点はあるものの、この種の雇用に伴う危険性・不安定性や、まったくと言っていいほど存在しない社会的保護を隠してはならない。さらに、この働き方はジェンダー不平等を悪化させることになりかねない。

ほとんどのクラウドワークは就業規則の対象にならないので、労働者は仕事をする時期や労働条件をほとんど管理できない。不当な扱いを受けた場合に頼れる選択肢も限られている。

インダストリオール加盟組織は、クラウドワーカーやプラットフォームワーカーの権利を擁護し、いくつかの国々で労働条件改善策を講じている。組合は2015年にFairCrowdWork.orgを開始し、労働者や組合からクラウドワーク、アプリベースの仕事、その他のプラットフォームベースの仕事に関する情報を集めている。このサイトは、労働者を対象とする調査に基づいて、さまざまなオンライン労働プラットフォームの労働条件を評価する。オーストリア労働会議所、オーストリア労働組合総連合、ユニオネンの共同プロジェクトである。

2017年、IGメタルといくつかの署名プラットフォーム、ドイツ・クラウドソーシング協会は、行動規範を実施して労働者と署名プラットフォームとの紛争を解決するために、オンブズオフィスを設立した。このオンブズオフィスはIGメタルが監督しており、どんな紛争でも解決する。

「より多くのホワイトカラーを組織化し、仕事の未来を調整・形成していくには、組合が革新的な行動を起こし、ホワイトカラー労働者のニーズや懸念に取り組む必要がある」とアトレ・ホイエは言う。

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