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第120号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2021年2月2日)

インダストリオール、TKエレベーターと枠組み協定を締結

2021-01-20

<JCM記事要約>

  • インダストリオールは、ドイツ系多国籍グループであるティッセンクルップのスピンオフとして設立されたTKエレベーターと新しい枠組み協定を締結した。ティッセンクルップとは、2015年に協定を締結しているが、TKエレベーターとの締結により、エレベーター/エスカレーター部門初の協定が結ばれたこととなった。
  • 新しい協定は旧協定と同様にILO中核的労働基準が基礎となっているが、規則をより強力かつ明確に定義しサプライチェーンにも適用することの他、報告制度を設け、従業員一人一人が苦情を申し立てることができる、といった変更が加えられた。
  • インダストリオールは、この部門で初の協定が締結されILO中核基準遵守が保証されたことは、世界中のこの部門で働く全従業員にとって画期的なことであり、今度は同社が活動しているすべての国で真の社会的対話を通して、この新しいグローバル枠組み協定に活力を与える必要がある、とした。

 

インダストリオールは、TKエレベーターと新しい枠組み協定を締結した。同社は、複数の産業で活動するドイツ系多国籍グループ、ティッセンクルップのスピンオフとして設立された。

インダストリオールは、すでに2015年にティッセンクルップと枠組み協定を結んでいる。したがって分離後、旧協定を新会社に導入することは至極もっともなことだった。これは、この新しいグループで中核的労働基準に継ぎ目なく有効性を持たせる最も安全な方法でもあった。IGメタルと同社従業員代表委員会、インダストリオール・グローバルユニオンの強力な立場を統合したおかげで、エレベーター/エスカレーター部門初のグローバル枠組み協定が結ばれた。インダストリオール・グローバルユニオンは、この部門の他の多国籍企業もこの例に倣うべきだと提案している。

旧協定と同様に、ILO中核的労働基準が新協定の原文の基礎となっているが、新協定の立案にあたって、次のようないくつかの変更が加えられた。

  • 規則をより強力かつ明確に定義し、同社およびサプライチェーンに適用。
  • 同社で活動している労働組合に対する使用者の中立性の定義を改善。
  • 合同安全衛生委員会を導入し、従業員と従業員代表による安全衛生問題への関与を改善。
  • 報告制度を設け、苦情や違反を匿名で提出できるようにすることにより、守秘義務を保証。苦情を検討する国際委員会は、インダストリオール、IGメタルならびにグループ従業員代表委員会、欧州従業員代表委員会の代表で構成される。この委員会はTKエレベーターの人事部代表と緊密に協力する。

スーザン・ヘルベルガー  TKエレベーター・グループ従業員代表委員会委員長でGFA署名者の1人:

 

この新しいグローバル枠組み協定により、TKエレベーターで全世界5万人以上の従業員を対象に集中苦情処理制度を創出した。ここでは、労働者の基本的権利が侵害された場合に、従業員一人一人が苦情を申し立てることができる。私たち従業員代表委員会および労働組合員にとって、ティッセンクルップとともに構築したこの文化を、TKエレベーターの新しい所有者とも維持することが特に重要だった。したがってTKエレベーターは、すべての同僚にとって公正で尊敬の念に満ちた使用者であり続けることを約束している」

ヴァルター・サンチェス・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は、次のように述べている。

 

この新協定は重要な一歩だ。初めて、この部門の大手6社のうちの1社が、全世界でILO中核基準を守ることを保証している。これは部門のすべての生産・維持従業員にとって画期的なことだ。インダストリオールと加盟組織の仕事は始まったばかりだ。今度は、同社が活動しているすべての国の代表的組合を関与させ、グローバル・レベルで真の社会的対話を通して、この新しいグローバル枠組み協定に活力を与える必要がある」

イェルク・ホフマンIGメタル/インダストリオール・グローバルユニオン会長はこう述べた。

 

「コロナ・パンデミックは世界的な不平等の悪化をもたらしている。私たちはティッセンクルップ・エレベーター社のグローバル枠組み協定によって、特に危機に際して、これまで以上に必要になっている労働者の権利を擁護するためにシグナルを送っている。安全衛生委員会の設置にも成功した。内部報告制度と国際委員会が監視・実施を確保している」

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